抹茶や煎茶などの日本の「お茶文化」は、その起源とされる中国における文化とは大きく異なる。日本の茶道は起源こそ中国にあれど、日本の気候風土や日本人の気質に合わせて発展してきたもはやオリジナルの文化と言えるのだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 抹茶や煎茶などの日本の「お茶文化」は、その起源とされる中国における文化とは大きく異なる。日本の茶道は起源こそ中国にあれど、日本の気候風土や日本人の気質に合わせて発展してきたもはやオリジナルの文化と言えるのだ。

 中国メディア・今日頭条は9日、「日本の抹茶道から考えさせられること」とする文章を掲載した。文章はお茶を煎れ、香りを楽しみ、味わうという、本来は中華民族の伝統的な習慣だったはずの行為が、「今ではファッション感覚になっている」と紹介。それは「お茶の文化自身が著しく失われてしまっているからだ」とした。

 また、近年ますます多くの人が「日本の抹茶道」を崇拝し始めていると説明したうえで、「われわれの唐や宋の時代にあった抹茶を見たことがある人がいるか」と問いかけた。そして、古代におけるお茶の煎れ方、味わい方は「簡単に想像できるものではなかった」と説明。原料は上等な若芽を摘んで加工し、厳しい基準のもとで補完し、茶の粉末を作る器具に対しても、とても高い要求があったとし、しっかりとしたトレーニングなしにはできるものではなかったと解説した。

 しかし、このような非常に手間がかかる古代の茶芸は、明の洪武帝の時期に廃れてしまったと紹介。そして、日本に伝わる「抹茶道」の始祖は明の中後期になってようやく生まれたものであったのだとしている。

 記事が訴えているのは、単に「おしゃれ」だからという理由で伝統文化を崇拝するのは浅薄であり、伝統文化が歩んできた系譜をしっかりと学んだうえで、それを発展させていくことの大切さのようである。記事は「古来より洋の東西を問わず、文化には典型的な地域文化の特殊性が存在する。その本質は、その土地で生まれた樹木と同じであり、文化の内在的部分は模倣できるものではないのだ」と論じた。

 近年、儒教や中国伝統医学など中国伝統文化の復権を図っている中国。一方、中国由来の伝統文化が日本国内で独自の発展を見せ、日本の伝統文化として世界に広まっていることに衝撃を覚え、危機感を募らせている。中国伝統文化を「ソフトパワーを育てる、カネ儲けの道具」と考えているようでは先が見えている。伝統文化に対して真剣に向き合うことが、今の中国には求められているのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)