サッカー界激震 「違法ストリーミング」視聴者が数千万人に

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12月3日に行われた「エル・クラシコ」はレアル・マドリードとFCバルセロナが激突するリーガ・エスパニョーラの伝統の一戦で、世界中のファンが視聴した。地球上で最高の選手に数えられるリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドの対決に多くのサッカーファンが熱狂した。

この対戦は世界で最も視聴された対戦の1つと言えるが、少なくとも550万人が違法なライブストリーミングサイトを通じて観戦したという。この数字はコンテンツ保護を専門とするVFT Solutionsが122のライブストリーミングをサンプルに試算したものだ。サンプルでは最後まで試合を観戦した場合のみがカウントされているため、実際の視聴者数は数千万人単位に上ると見られている。

違法ライブストリーミングは、メディアやエンターテイメントの分野において2016年最大の著作権侵害問題と言える。特にスポーツでは熱狂的ファンが手段を選ばずにお気に入りのチームの試合を見ようとするため、違法視聴行為が横行している。筆者は以前、NFLの視聴率に関する記事で、VFTの試算ではNFLの試合の違法ライブストリーミングは毎週50万件ほどあると述べた。サッカーほどの被害ではないが、増加傾向にあるためいずれNFLの運営機関の目に留まるはずだ。

違法な視聴が増えると正規の放送の広告の価値を下がり、テレビ局自体が被害を被ったりすることになる。残念ながらペリスコープやフェイスブック・ライブ、Youtube Liveで違法ストリーミングを視聴している人々は違法性に気づいていないため、試合の情報が共有されれば気軽に視聴してしまう。これは特に大きな金額が動くエル・クラシコで顕著だ。

フォーブスが発表した2016年の最も価値が高いスポーツチームのリストでは、レアル・マドリードが36.5億ドル(約4,163億円)で2位、FCバルセロナは35.5億ドル(約4,049億円)で3位に入っている。この2チームもライブスポーツの将来が違法ライブストリーミングによって左右されるような多大なリスクを伴う状況を好まないはずだ。

リオ五輪では「人海戦術」で対応

世界中のチームやリーグが協力して違法ライブストリーミングを取り締まるべきだ。他の著作権侵害対策と同様に、供給元と視聴者の両方に対策を講じるのが得策だろう。2016年のリオ五輪ではIOCの対策チームらが”人海戦術でインターネットに目を光らせていた”という。

また、視聴者側に関しても、多くの人々が違法であることを認識せずに視聴している状況であるため、視聴者を啓蒙するキャンペーンを行なう必要がある。SNSでのライブストリーミング動画の増加が、こういった違法ライブストリーミングの蔓延に拍車をかけている。