香港議会から反中国色の強い議員を排除する動きが続いている。香港独立を視野に入れる本土派議員2人に続き、香港政府は急進民主派4人の議員資格取り消しなどを高等法院(高裁)に求めた。香港議会

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2016年12月9日、香港立法会(議会)で反中国色の強い議員の締め出しが続いている。香港独立を視野に入れる本土派議員2人に続き、香港政府は急進民主派4人の議員資格取り消しなどを求めて高等法院(高裁)に司法審査を申し立てた。議会から反中派の排除を図る中国当局の強硬姿勢がさらに鮮明になった。

今年9月の議会選挙(定数70)では、香港政府のトップを決める行政長官選挙の民主化を求めた2年前の「雨傘運動」後に台頭した若者らを中心とした本土派など新興の反中勢力6人が当選。民主派と合わせ30議席を獲得し、政府が提出する重要法案を否決できる議席3分の1以上になった。

親中派は40議席で過半数を維持したが、前回より3議席減。1997年に香港が英国から中国に返還された際、「一国二制度」で保障されたはずの「高度な自治」が中国の圧力で大きく揺らぐ中、香港住民の危機感が示された形だった。

香港基本法(憲法に相当)によると、主要官僚や議員、裁判官ら就任時に基本法を守り、「中華人民共和国香港特別行政区」に忠誠を誓うと宣誓しなければならないと定めている。香港政府はまず本土派の2人が10月の就任宣誓時に中国を侮蔑する発言などをしたとして、議員資格の取り消しを高等法院に請求した。

基本法の解釈権を持つ中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は「不誠実な宣誓をした場合は、直ちに公職の資格を喪失する」と基本法の解釈を提示。高等法院は議員資格を取り消す判断を下した。2人はこれを不服として上訴したが、11月末に棄却された。

香港メディアによると、その2日後に議員資格取り消しなどを申し立てられた急進民主派4人は、就任宣誓で宣誓文を極めてゆっくり読んだり、別な文言を付け加えたりするなどしたとされる。全人代は本土派2人のケースで「宣誓は真摯(しんし)にかつ厳粛に行われなくてはならない。正確かつ完全、厳粛に読み上げられなくてはならない」としている。これが準用されれば、4人も議員資格が取り消される可能性が大きいとみられる。

本土派議員らが就任宣誓時に中国を挑発するような行動に出たのは、自らの主張をアピールし存在感を示すと同時に、香港政府に三権分立を無視させ、中国に対する香港住民の怒りをかき立てる狙いがあった、との見方もある。香港では中国への反発が広がっており、その意味では成功だった。

それでも香港政府や中国当局が強硬手段に訴えた背景には、「独立」や「民主化」を叫ぶ声が中国本土などに拡散することへの懸念がある。中国国営新華社通信によると、中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は11月末、「香港独立勢力と台湾独立勢力が結託して、香港を混乱に陥れようとしている」と指摘。「われわれは台湾に対して、香港の問題で口出しをして『一国二制度』を妨害し、香港の繁栄と安定を破壊することのないよう、忠告申し上げる」と警告した。(編集/日向)