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現在の生物進化論においては、「鳥は恐竜の生き残りである」という説が有力なのですが、これを裏付けるような論文が発表されました。ミャンマー北東部の鉱山で発掘された、白亜紀中期のものと考えられる琥珀(こはく)の中に、羽根のようなもので覆われた恐竜の尻尾が非常によい状態で保存されていたことが論文により明らかになりました。

A Feathered Dinosaur Tail with Primitive Plumage Trapped in Mid-Cretaceous Amber: Current Biology

http://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(16)31193-9

この論文は中国地質大学の古生物学者、リダ・シン氏らによる研究チームが学術専門誌「Current Biology」で発表したもの。いまからおよそ9900万年前のものと考えられる琥珀の中には、羽毛が生えた状態で保存されていることがわかります。琥珀は樹木からの分泌物などによって作られるため、土に埋もれて圧力がかかる化石よりも自然な状態で保存されています。



なんとこの琥珀は、現地の特産品として売られている、おみやげ用の琥珀アクセサリーの中から見つかったとのこと。その中には、アリのような生物が閉じ込められていることもわかります。



最初は樹木と考えられていたこの物体ですが、よく観察するとその形状などから恐竜の一種の尻尾であることが判明。その持ち主は、現代のスズメぐらいの大きさの恐竜「コエルロサウルス類」の若い個体と考えられています。

羽毛をよく確認すると、細かく枝状に分割していることがわかります。これは、現代の羽毛にも共通してみられる構造となっており、羽毛の進化の過程を知ることができるものでもあるとのこと。



その1つが、現代の鳥が持つ羽毛の中心部分に存在する太い「羽軸」が存在していない点です。最初は細い1本の体毛から始まった羽毛が徐々に数を増やし、枝分かれが生じ、さらに羽軸が生じるという進化の過程が考えられています。



今回の発見は、琥珀の加工品として現地のアクセサリー店で売られているものがたまたま発見されたものとなっているわけで、実際には尻尾以外の主要な体構造が保存されていた可能性も考えることができます。今後も恐竜など古代の生物の痕跡がより実物に近い形で発見される可能性は大きく残されているといえそう。

なお、標本からはDNAは採取されなかったとのこと。残念ながら、映画「ジュラシックパーク」のような恐竜の復活の実現には至らないようです。