by Quinn Dombrowski

Amazon倉庫で身分を隠して働いた記者が「過酷な労働環境」を語るなど、Amazonは雇用や労働について多方面から批判を受けています。Amazonの面接試験を2度受けたエンジニアのShivan Kaul Sahibさんは、Amazonの面接について「ひどい体験だった」と語っており、プライバシーの問題を強く感じて途中で面接を続けることを拒否したほど。これからAmazonの面接を受けようとしている人や現在受けている人の助けになれば、とSahibさんは体験談を公開しています。

2016 Software Engineering Internship Amazon Interview Experience

https://rajk.me/amazon-interview-experience/

'Clean your desk' : My Amazon interview experience

http://shivankaul.com/blog/2016/12/07/clean-your-desk-yet-another-amazon-interview-experience.html

◆1度目の面接試験:インターンシップ

Sahibさんが初めてAmazonの面接を受けたのはインターンシップの時。オンライン申込を行ってから数カ月後、2つの試験へのリンクが貼られたメールが届きました。試験のうち1つは「コードをデバッグする」といった標準的なもので、Off-by-oneエラーブール論理エラーに関する7つの問題を24分で解くというもの。そして2つめの試験は論理的推論に関するもので、35分間で24個の問題を解くものでした。

1度目の試験を受けてからしばらくすると、Sahibさんは2回目のオンライン試験に関するお知らせをProctorio経由で受け取りました。オンライン試験を受けるためにSahibさんはGoogle ChromeとProctorioの拡張機能をインストールし、匿名モードに設定した状態で試験の指示を受け取ったとのこと。

Sahibさんが受け取った指示の内容は以下の通り。



試験の間、次の行為は制限されます:

・インターネット接続の切断。試験は自動的に終了するため、現在のインターネット接続が試験中に安定するか確認してください

・試験中はクリップボードが使えません。コピー&ペースト機能は使えず、現在クリップボードに保存されているものは削除されます

・追加のスクリーンやモニターとの接続が切れるまで、試験は開始できません

・試験中は新しいタブおよびウィンドウを開けません

・試験中は右クリックができません

・試験内容はプリントアウトできません

試験中は次の情報が集められます:

・マイクロフォン

・ウェブカメラ

・現在位置

・クリップボード

・マウスの位置

・ブラウザのサイズ

・ブラウザのタブとウィンドウ

・頭の動き

・目の動き

・口の動き

・スクリーン全体

・訪れたウェブサイト

・起動している他のアプリケーション

・接続しているスクリーンの数


Sahibさんは現在位置や起動しているソフトウェア、ブラウザタブの数といった情報を集められることが不快だったため、上記の指示を受け取った時点でAmazonの人事担当に連絡し、試験を続けることを拒否しました。そしてAmazonに「この試験方法はプライバシーを侵害する恐れがあるため、他の方法による面接を行うのではどうか」とメールで提案しましたが、Amazonから返信はなかったとのこと。

◆2度目の面接試験

SahibさんがAmazonの2度目の面接試験を受けたのはソフトウェア開発エンジニアとして応募した時のもの。試験はオンライン上で試験監督を行うサービス・ProctorUを介して行われました。まずSahibさんがいくつかのソフトウェアをインストールして試験を受ける準備を終えると、試験監督がSahibさんのPCをリモートで監督下に置きました。このとき、監督にPCの全コントロール権を握られたことについて、Sahibさんはその場では何とも思わなかったものの「他人が目の前の画面のソフトを次々と終了させていく様子は、人によっては恐怖感を覚えるものです」と記しています。

次に試験監督が行ったのはウェブカメラを通しての室内のチェック。「あなたが試験中に書き取りをするような道具を隠していないか確認するので、机を片付けてください」と言われたSahibさんは「では、試験はベッドで受けることにしますよ」と冗談めかしましたが、監督に「わかりました。では道具を隠していないかシーツをはがして見せてください」と返されました。さらに「当然ですが紙とペンは使えません。携帯電話もあなたの後ろ、私が確認できるところに置いてください」と言われたとのこと。



by Jason

そのほか、「ノートPCを手にとって部屋の環境を360度見せてください」「イスから立ってイスを向こうにやった状態で床を見せてください」といった複数の指示を受けた後にようやく面接のうち試験のパートがスタート。なお、試験と試験の間には5分間のトイレタイムが許されたそうです。

そして、試験の後は面接が行われました。面接は、まず第一部としてAmazonの職場を模したゲームの世界で、面接者が実際の仕事場でどのくらいチームと協力できるかがチェックされる予定でした。しかし、開始時刻から5分経ってもゲームが始まらず、そのことを試験監督に伝えたものの20分かかっても事態は解決しませんでした。合計1時間待たされたSahibさんは最終的に「紙もペンもない状態で何もできずにただ時間を消費する」ということに我慢できず、試験の継続を断念。試験監督からスケジュールの組み直しを提案されましたが断って、インターネット接続を切断しWi-Fiもオフにして、インストールさせられたソフトウェアを削除し、ファイアウォールを最も堅固に設定しなおしました。

1度目の面接での「プライバシー侵害」、2度目の面接の時の厳しい管理、および決まり事に従うだけで自分で仕事を進められない試験監督のことを挙げて、Sahibさんは現実のAmazonの労働環境に重なるものがあるのではないかと指摘しています。