関連画像

写真拡大

路上で下半身を露出したとして、愛知県警の男性警部補が11月下旬、公然わいせつの疑いで書類送検された。

報道によると、警部補は10月中旬深夜、名古屋市中区の路上で下半身を露出した疑いが持たれている。当時、泥酔して路上で立ち小便したあと、ズボンのファスナーを閉めずに下半身を露出したまま歩いていたという。

警察の調べに「(下半身を)しまい忘れた」と話したということだ。なんともズボラな話のように聞こえるが、一方で、いわゆる「社会の窓」(ズボンのファスナー)の閉め忘れは経験したことがある人もいるだろう。

うっかり下半身を「しまい忘れ」てしまった場合や、社会の窓を閉め忘れた場合も、罪に問われる可能性はあるのだろうか。刑事事件にくわしい寺林智栄弁護士に聞いた。

●「わざと」でなければ罪に問われない

「うっかり『しまい忘れ』た場合、該当する可能性があるとすれば、公然わいせつ罪が考えられます。

しかし、公然わいせつ罪は『故意犯』と呼ばれるもので、『わざと』下半身をしまっていなかった場合でなければ犯罪に該当しません。

『しまい忘れ』の場合、『わざと』とはいえないので、公然わいせつ罪に該当すると判断するのは難しいように思います」

うっかり「しまい忘れ」ていた場合は問題ないのだろうか。

「たとえば、『しまい忘れ』て歩いていた場所が女性が多い場所であったり、『しまい忘れ』の状態で不審な挙動をとっていたりする場合、最終的に処分されずに釈放されるとしても、今回の警部補のように、『わざと』出していたのではないかという疑いをかけられて、いったん逮捕されてしまう可能性も否定できないでしょう」

下半身はしまい忘れていなかったけれど、「社会の窓」を閉め忘れていた場合はどうだろうか。

「単に、ファスナーが開いていただけの場合であれば、何の罪にも問われません。ただ、周りの人は目のやり場に困ることとなるでしょう。何より、自分自身がかなり恥ずかしい思いをすると思うので、細心の注意を払った方がいいですね」

弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。
事務所名:ともえ法律事務所
事務所URL:http://www.tomoelaw323.com/