「真田丸」にきり役で出演する長澤まさみ/(C)NHK

写真拡大

堺雅人主演の大河ドラマ「真田丸」(NHK総合ほか)では大坂の陣が佳境を迎えている。

【写真を見る】12月11日(日)放送では幸村ときりの関係にある展開が!/(C)NHK

12月11日(日)放送では、真田幸村(堺雅人)が徳川軍との最終決戦に挑む。しかし、戦況は依然不利で、味方である五人衆も欠けてしまう。そんな中、幸村はきり(長澤まさみ)にある任務を託す。

そんなきりを演じる長澤まさみにインタビューを敢行。序盤から常に幸村のそばに寄り添い、思いを寄せ続けてきたきりは、物語の幕引きを前にその恋にどんな決着をつけるのか。

――序盤からここまで、きりを演じていて変化を感じることはありますか?

きり自身は、まったく変化していなくて、周りの人の見え方が変わってきたように思います。きりは正論を言ってしまうことから、そこに“うざったさ”が生まれたと思いますが、大人になると正論を言ってくれる人は少なくなる。社会では正義が悪になる時もある。そんな中ズケズケと言いたい事を言うのがきりであって、時が経ち、自然と「いいこと言うじゃん」と思われるようになったという見る側の変化であって、きりの根本の部分は何も変わっていないのかなと感じます。

――大坂の陣を前に幸村が大坂城に戻ることを決めますが、そこでもきりの言葉が大きく影響を与えました。

ずっとそばにいた幼なじみですし、愛した人でもあるので、何を考えているかが分かるのでしょうね。だからこそ、代弁してあげるのが自分の役割だと感じたのだと思います。

――12月11日(日)放送では、きりの長年の片思いが決着します。台本を読んでどんな印象を持ちましたか?

面白いシーンになると思いました。きりは、結局自分の本当に思っていることは言えない子でもあるので、最後まできりらしく、憎たらしい感じでやりたいなと。

――ここまで演じられて、信繁の魅力をどのように感じますか?

魅力は…“誠実そうに見える”ところですかね(笑)。恋愛の部分でも、仕事上の働きを見ても、人が良さそうに見えるので…みんなだまされているんです。きりはそうでない部分を知っているから、逆にズケズケものが言えるのだと思います。

きり自身はというと、やっぱりちょっと危なそうなところに引かれたのでしょうね。常に勝負に出たがるところがある人なので、先がどうなるか見えないところが魅力的に見えたのだと思います。

――きりの魅力というのはどのように感じていますか?

あれだけずっと同じ人を思い続けるのは、すごいことだなと思いますね。ただ、以前も言ったことがありますが、私はきりを演じる上で「この人をモデルに演じよう」と決めた人がいるので、演じながら「本当にこういう人なのかな、すごい人だな」と思っていました。ただ、私はその人の心情・内面を知っているわけではなくて想像しているだけなので、誰のことかは明かせないのですが。

――演じていて印象的だったことはありますか?

どう演じてもいい、という役で、大変なところはすぐには出てきませんが、はじめの頃はドラマを見た方から“うざいキャラ”と言われていて。私は何とも思っていなかったのですが、落ち込んでいると思ったのか、共演の皆さんが「いや、すごくいい役だと思うよ」と慰めに来てくれたんです(笑)。すごくありがたいなと思いました。

――今回の役は、キャリアの中でどんな位置づけになりそうですか?

これまでも当て書きしてもらったことは何度もあったと思いますが、この作品では三谷(幸喜)さんが、どう演じてもきりという役柄が必ず出来上がるようにしてくれました。

当て書きって、その人(役者)本人ではないのですが、その人が持っているものがキャラクターに加わったときに、新たなすごく魅力的なキャラクターが生まれるというものなんだと思うんです。きりは、私が演じさえすれば、どんなふうに演じても魅力的に見えるように作られている。こんな役に出合うことは、この先ないと思うのでうれしかったです。

あらためて三谷さんの観察眼のすごさを感じましたし、仲良くして無駄な情報を与えるのは控えようと思いました(笑)。

――堺さんとの共演で印象に残っていることがあれば教えてください。

たくさん芝居のことを学ばせてもらったと思います。堺さんは、技術だったり、経験値だったり、知識で信繁像をきっちり作るタイプでしたが、常にいろんなタイプの役者との化学反応を楽しんで、勝負を挑んでいるような姿が印象的です。

堺さんはヒット作をたくさん生んでいて、普段どうやって演じていらっしゃるのか興味があったのですが、共演して「確かにこの人なら作品を観たくなるな」と思うことがたくさんありました。あらためてすごい人だなと思いました。

――大河出演は3作目ですが、今回は初めて全編を通しての出演。これまでと大河の風景は違って見えましたか?

全然違いますね。“一年現場にいてみないと分からない良さ”というものがあることが分かりました。戦国時代の女性は立場が低いので、一年間出続ける役を作るというのも、なかなか難しいですけどね。

朝ドラもそうだと思いますが、一年間実在した人物を演じていくと、みんなが演じた人への尊敬や配慮を持って、役をすごく丁寧に扱っていることを感じます。私もまったく違う人生を味わった感覚がありましたし、それが一年を通して役を演じることなのかなと思いました。