学生たちの強制わいせつ&強姦事件が続出(shutterstock.com)

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 東京大学から始まり、慶應大学、近畿大学、そして今、世間を騒がせているのは千葉大学......。

 全国の大学で起きている、卑劣きわまりない強制わいせつや集団強姦の事件が、次々と報じられている。

 まずは東京大学――。今年5月10日、女子大生を無理やり全裸にして体を触わった東大生5人が、強制わいせつ罪と暴行罪容疑で逮捕された。東京地裁は9月6日、主犯格の同大学4年生・松見謙佑被告(22)に懲役2年を求刑した。

 次に慶應大学――。神奈川県葉山町の合宿施設で9月2日、同大学の広告学研究会の男子学生6人が女子学生(18)に酒を飲ませて酩酊状態にし、性的乱暴を加えたとして、被害届を受けた神奈川県警葉山署は捜査を開始。

 10月4日、慶應大は、88年の歴史を誇る広告学研究会に解散命令を命じた。ちなみに同会は、民放女子アナの登竜門といわれる学園祭のイベント「ミス慶應コンテスト」の主催団体。11月に開催予定だった同コンテストは中止された。

 『週刊文春』やフジテレビ『Mr.サンデー』の報道によれば、加害者の名前は特定されており、そこでは広告研究会の日吉キャンパス代表の「宋」という人物を挙げている。6人のうち2人は未成年のため、逮捕されても実名報道はないと考えられる。

 そして近畿大学――。産經新聞(11月21日付)によれば、大阪府警は、20代女性に大量にシャンパンを飲ませて意識不明の状態に陥らせたうえでわいせつ行為に及んだ、同大学法学部4年生の瀬戸和真容疑者(22)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。

千葉大事件では医学生だけでなく指導する立場の研修医まで!

 そして、注目を集めているのが千葉大学医学部の事件だ――。

 毎日新聞 (11月22日付)によると、千葉県警捜査1課は、千葉市内の飲食店内で女子大生に性的暴行を加えた、千葉大学医学部5年の吉元将也(23)、山田兼輔(23)、増田峰登(23)の容疑者3名を集団強姦致傷容疑で、研修医の藤坂悠司容疑者(30)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。

 逮捕された医学生らは「酒に酔った勢いに任せてしまった」と供述。学生を指導する立場にある研修医まで犯行に加わっていたというのだから、言語道断である。

 しかも、この飲み会を企画したのが藤坂容疑者だったという報道もあり、「指導医の立場を利用して、学生たちに犹愼貝瓩気擦新弉菘な犯行だったのではないか?」という疑いの目を向けたくもなる。

 千葉大は千葉県警の要請を受け、学生3人と研修医の処分を検討中だ。中谷筆頭理事は「女性を深く傷つけた。人としてあってはならない。深くおわび申し上げる」と陳謝している。

 このようなモラルが欠如した人物が、現役の医師(あるいは医学生)であることに、千葉大医学部ばかりか医療従事者そのものへの不信感も増すというものだ。
事件後にも受け続ける「セカンドレイプ」

 この3カ月だけでも、東大、慶應大、近畿大、千葉大へと飛び火した強制わいせつ事件や集団強姦事件。<何をしても許される>、そんな自分本位な性欲と非道な暴力が招いた悲痛な事件ばかり。その犯罪性は甚大だ。

 そして、さらに重大な問題がある。被害者が事件後に、心理的・社会的な傷害やストレスを受け続ける「性的二次被害」、いわゆる「セカンドレイプ」だ。

 たとえば、産婦人科医や警察官が被害者に対して「男を誘惑したり挑発したのではないか」と中傷したり、「スキがあったのではないか」と責任を問うことがある。マスコミ報道によって、世間から好奇の目に晒されることも多い。法廷での弁護側が行う主張や尋問が、被害者を傷つけることもある......。

 このようなセカンドレイプは、被害者が受けた身体的ダメージに加えて、人間不信、無力感、性暴力への恐怖心などの心理的・社会的ダメージをますます強める。申告したことを後悔し、早く忘れるために泣き寝入りする被害者も少なくない。

セカンドレイプは予防できないのか?

 社会的なコンセンサスの道は険しいが、性犯罪や性暴力事件に関わる誤った性意識や、レイプを容認する偏ったレイプ観を地道に正していくほかない。

 しかし、悲しいかな、世間や匿名のネット民の目は冷たく、被害者の心を無残に逆撫でる場合が少なくない。一例にすぎないが、まとめサイトやSNSなどで取り沙汰されている「金玉潰し祭り」のような喧騒はどうだろう? 

 これは、「痴漢される女にも原因はある」と主張する男性に対して、女性が「じゃあ金玉潰されても原因はお前にあるよな?」といった、男女を入れ替えたネット上での思考実験だ。Twitterでは、ハッシュタグがつけられ瞬く間に拡散されていった。

 だが、興味本位の画像や、男性の性暴力へのカウンターアタック(反撃)などの独断的なコメントを見る限り、性犯罪の被害を受けた人たちへの配慮はまったく感じられない。

 蛇足だが、<金玉潰し>は拷問やリンチに悪用される手段だ。睾丸は強固な膜で守られているが、限界を超える加圧が起き、白膜が裂けると最悪の場合、睾丸を摘出し、適切な止血措置を行わないと死に至る場合もある。
あらゆる性暴力は犯罪、性暴力に正当性は一切ない

 言うまでもないが、民主主義社会の根幹が思想、言論、通信の自由にあり、情報を知る自由も拒む自由もあるのは論をまたない。だが、知性・感情・意思を兼ね備えた社会的動物、それが人間だ。

 人間としての誇りと倫理観と節度があるからこそ、法律という社会的な縛りに関わりなく、欲望を自制するだけでなく、さらに高次元に欲求を変換できるのだ。つまり、思想、言論、通信の自由が公共の利益や個人のプライバシーを侵害するなら、その自由と権利は制限されるのは自明の理だ。

 そのような観点に立てば、「金玉潰し祭り」のような喧騒は、性暴力を公然化し、容認するように誘導する悪意が感じられる。バイアスのかかった、性意識や性衝動を招きかねないリスクすら感じる。

 あらゆる性暴力は犯罪だ。性暴力に正当性は一切ない。セクシュアリティ(性のあり方)も性の選択も性行動も、個人の自由と裁量に託されている。

 だが、自己の性的な欲求や陶酔を求める自由はあっても、他人への強要や勧誘はできない。性犯罪の被害者を不快にする行為は許されないし、不快感を受けない権利も侵せない。そのような作為は、セカンドレイプに他ならない。

 これは「情報に触れなければいい」という議論でもなく、あらゆる性暴力は犯罪なのだ。
(文=編集部)