■極私的! 月報・青学陸上部 第19回

いよいよ10日、箱根駅伝の16名のエントリーリストが発表される。そのメンバーから、最終的に10名が区間エントリーされ、箱根を駆けることになる。

箱根3連覇を狙う青山学院大学のメンバーは、果たしてどんな面子になるのだろうか、発表前に予想してみたい。

「箱根駅伝のメンバー選考は、世田谷ハーフマラソン(11月13日)と学連10000m挑戦記録会(11月26日)の成績が大きなポイントになります。この2つのレースで成績がよかった選手が当然、メンバーに入ってくるでしょう」

 原晋監督は、そう言った。

 2つの大会ではタイムや順位を見るのはもちろん、ここにきて調子が上がってきた選手、あるいは故障や不調気味だった選手が箱根を走れるレベルにまでに達しているのか、それを見極めるための大会とも言えよう。

 その2つのレースに加え、富津の選抜合宿(12月3日〜7日)での状況、さらに出雲駅伝、全日本大学駅伝の結果などを踏まえてのメンバー選考になるのだが、まず主力として外せない絶対的な選手がいる。

 それが、この8人だ。
          


 安藤悠哉 (4年) 出雲(5区) 全日本(4区)
 一色恭志 (4年) 出雲(6区) 全日本(8区)
 茂木亮太 (4年) 出雲(4区)
 下田裕太 (3年) 出雲(3区) 全日本(1区)
 田村和希 (3年) 出雲(2区) 全日本(2区)
 小野田勇次(2年)        全日本(5区)
 森田歩希 (2年)        全日本(6区)
 鈴木塁人 (1年) 出雲(1区)

 エースの一色に加え、来季のエース格の田村和、下田、そしてキャプテンの安藤は青学の中心選手。茂木は今季、夏季合宿もすべて参加し、好調を維持。森田は全日本でMVPを獲得、小野田も区間賞を取り、箱根6区のスペシャリストとして必要な選手だ。鈴木は原監督から全日本回避の命を受けて世田谷ハーフマラソンに照準を合わせ、63分を切る62分55秒という好タイムで2位に入った。昨年、このレースで優勝した中村祐紀が原監督から「使うよ」と明言されたように鈴木の起用は、ほぼ間違いない。

 この8名の選手は故障や病気以外での落選はありえない鉄板メンバーだ。

 では、残り8名はどういう選手がメンバー入りしてくるのだろうか。原監督がカギとなると明言した10000m記録会と世田谷ハーフマラソンの上位選手は整理すると以下になる(上段が10000mのタイム、下段がハーフマラソンの順位・タイム)。

梶谷瑠哉(2年):28分52秒94(自己ベスト)
         出場せず 
池田生成(4年):29分10秒07          
6位・63分53秒
富田浩之(2年):29分11秒75(初レース)   
13位・65分19秒(初レース)
 林 奎介(2年):29分15秒58(自己ベスト)  
5位・63分52秒(自己ベスト)
 山田滉介(2年):29分22秒51(自己ベスト)  
9位・64分04秒(自己ベスト)
秋山雄飛(4年):29分25秒94         
11位・64分52秒
生方敦也(1年):29分26秒81(初レース)
出場せず
橋間貴弥(2年):29分31秒10(自己ベスト)  
27位:66分51秒(自己ベスト)
吉永竜聖(3年):29分39秒51(自己ベスト)  
4位・63分36秒(自己ベスト)

 2つのレースの結果、さらに富津での強化合宿の状況から今後、調子を上げていくだろうと思われる選手という観点から選ぶと次の5名になる。

池田生成
秋山雄飛
吉永竜聖
中村祐紀
梶谷瑠哉

 池田は出雲駅伝のエントリーメンバーで、10000mでも好記録を出すなど好調を維持している。練習態度、競技への姿勢も真面目すぎるぐらいで、その姿勢を原監督は高く評価しており、復路での出走が期待される。

 秋山は、トラックシーズンは"仮死状態"だったが、ここにきてぐっと調子を上げてきている。とんでもない爆発力が持ち味で3区の有力候補として間違いなくエントリーされるはずだ。

 吉永は全日本の3区を走ったが結果を出せず、箱根当確を得られなかった。だが、1週間後の世田谷ハーフマラソンで4位に入り、当確ランプを自ら点(とも)した。

 中村も全日本では今ひとつの成績だったが調子そのものは悪くない。世田谷ハーフマラソンはオランダでのレースに参加したので、エントリーしなかった。昨年9区を走り、7位に終わった雪辱を果たすことに燃えており、うまく調整が進めば9区を走る可能性が高い。

 梶谷は、全日本に出走予定だった。だが、直前に疲労骨折が判明し、無念の辞退となった。すでに故障から回復、山登りの5区などの候補であり、原監督が森田とともにイチ押しの選手ゆえにメンバー入りは間違いない。

 この5名をプラスすると13名、残りは3名になる。実は梶谷、生方、中村祐以外にも2つのレースに片方だけ、あるいはまったくエントリーしていない選手がいた。なぜ、彼らが不在だったのかというと「山対策」のトレーニングをしていたからだ。それが内田翼(4年)、村井駿(4年)、貞永隆佑(3年)、吉田祐也(1年)である。

 村井は世田谷ハーフ、10000mともに走っていないが、6区の山下り専門として調整してきた。90回、91回大会では6区を走っており、小野田のコンディション次第では入れ替わる可能性があるのでメンバー入りは間違いない。

 夏から山登りの準備をしてきた貞永は突出した走りは見せていないものの、内田、吉田を抑えて5区候補としてメンバーに入るだろう。
 
村井 駿
貞永隆祐

 残すところ箱根の枠は1つになるが候補は、3人いる。

富田浩之
林 奎介
山田滉介

 2年生同士、三つ巴の戦いになっていたが、現状では10000mで結果を出し、出雲、全日本とメンバー入りを果たしている富田が1歩リードしている感がある。

 果たして、原監督がどういう決断を下すのか......。

(青学大 2017箱根駅伝 エントリー16名予想メンバー)
安藤悠哉 (4年) 
秋山雄飛 (4年)   
池田生成 (4年)   
一色恭志 (4年)  
村井 駿 (4年)
茂木亮太 (4年)

下田裕太 (3年)
田村和希 (3年)
貞永隆祐 (3年) 
中村祐紀 (3年)
吉永竜聖 (3年)

小野田勇次(2年)
梶谷瑠哉 (2年)
富田浩之(2年)
森田歩希 (2年)

鈴木塁人(1年)

 予想メンバーを学年別に並べてみると、4年生の層が非常に厚い。逆に、1年生が鈴木だけというのがさびしい感じがする。しかし、今回の箱根3連覇は最重要なミッションであり、勝つために万全を期す必要がある。出雲、全日本とアンカー勝負になり、厳しい戦いを続けてきたが、箱根では相手に隙を与えず、序盤から勝ちにいく。そのために実力と経験がある4年生を多く選出すると思われるが、実際に出走するメンバーは1年を除く各学年からほぼ同数(3名)の選手が選ばれるのではないだろうか。

「本番まで特別にやることはなにもない。いつも通りの調整、やるべきことをしっかりやれば結果はついてきますよ」

 原監督は、自信満々の表情でそう言った。

 16名のメンバー発表でひとつ大きな区切りがつく。これから安藤キャプテンを軸にチームとしてまとまりつつ、本番に向けて個々の調整を進めていくことになる。

 区間エントリーは29日。主要区間にはおそらく大きなサプライズはないものの、いくつかの区間ではあっと驚く選手起用を、原監督は考えているに違いない。

佐藤 俊●文 text by Sato Shun