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東京工科大学は12月9日、腕時計サイズの高精度モーションキャプチャシステムを開発したこと、ならびに、医療分野などでの活用に向け、同大医療保健学部などと共同で実証実験を開始したことを発表した。

同成果は、同大コンピュータサイエンス学部の松下宗一郎教授らの研究チームによるもので、詳細は、11月26〜27日にかけて開催された「第25回日本コンピュータ外科学会大会」において発表された。

近年、モーションキャプチャの技術が進化し、加速度と角速度の計測をベースとしたモーションキャプチャシステムが増えてきたが、導入コストが高額になることや、センサ出力特性が時間や温度によって変化するため専門業者によるメンテナンスが必要になるなど、手軽に利用するためには課題があった。

そこで研究チームは今回、角速度センサの姿勢角を9個のベクトルで表すことで、基準位置からの姿勢角変動を少ない計算量で求める方法を開発。これにより、低消費電力マイコンで処理を可能としたほか、センサ出力特性の時間・温度変動についても、アプリケーションへの影響を最小限度に抑えることに性向。また、地磁気センサや角速度センサなどによる姿勢補正を基本、必要としないため、4〜8時間の駆動時間を実現したという。

さらに、腕時計型デバイス単体での利用が可能で、総重量も試作品で60g以下を実現。製造コストも、市販部品のみを用いることで、数千円程度に抑えることが可能だという。

なお、研究チームでは現在、同大医療保健学部臨床工学科の篠原一彦教授および加納敬助教と共同で、一次救命措置における胸骨圧迫の正確なモニタリング手法への適用を想定し、腕時計型デバイス単体にて実用的に動作する重力キャンセラーおよび重力以外キャンセラーシステムの開発を進めているとするほか、東京大学大学院医学系研究科との共同で、内視鏡下手術における縫合操作の技量モニタリングを進めているとしており、今後は病院外における利用者の情報をネットワーク化して、リハビリへの応用などを図っていくとしている。また、医療以外の分野での可能性も検討していきたいとしている。

(小林行雄)