インタビューに応じた山崎貴監督

写真拡大

 岡田准一主演、山崎貴監督のメガホンで、2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹氏のベストセラーを映画化した「海賊とよばれた男」(講談社文庫)が、12月10日から封切られる。ふたりは、興行収入87億6000万円を記録した「永遠の0」に続くタッグ。山崎監督が、主演に岡田を起用した理由を熱く説いた。

 今作は、出光興産創業者・出光佐三氏をモデルにしたといわれる主人公の国岡鐡造が、明治・大正・昭和という激動の時代を舞台に、名もなき一青年から身を興して国岡商店を創業し、やがて石油事業を通じて戦後の日本国民に大きな勇気と希望を与えていく姿を描く一台抒情詩だ。

 山崎監督は岡田起用について、「無茶ぶり」という言葉をキーワードに挙げる。「僕が技術者だった頃、監督たちから無茶ぶりされるのが好きだったんですよ。『こいつならやれるかもしれない』って期待されている空気を感じるじゃないですか。岡田くんは、無茶ぶりしたくなる人。無茶を言って、そこにどう応えてきてくれるのかを見たい役者なんですよね」。

 2度目のタッグということもあり、「今回は相当な無茶ぶりをした」と笑う山崎監督。岡田にオファーするに際し、あらゆるリスクを想定したようで「僕らも岡田くんに60代まで託して撮るって、リスクはリスクとしてありました。若い岡田くんが一生懸命やったみたいに見えてしまうと作品が成立しなくなっちゃうから、本当に60代の役者として存在してもらわなきゃいけなかった」と振り返る。それでも、「岡田くんなら絶対に大丈夫だ!という、目に見えない力は感じるんですよ。彼ならばやってくれる。無茶な球を投げても、絶対に受け取ってくれるという信頼はすごくありますね」と胸中を明かす。

 そんな山崎監督、ひいては山崎組から全幅の信頼を寄せられる岡田は、青年期から晩年の90代までをひとりで演じきってみせた。撮影現場では、“老け”メイクを施して60代の鐡造になりきった岡田が、カメラが回っていない時もそのままの振る舞いで過ごすなど、徹底した役作りを垣間見させた。

 「現場でちゃんと“店主”としている…というのは、岡田くん自身がそういうスタンスを取りたかったんだと思います。なので、僕らも店主として扱いました。あの状況で、そういう空気を作れたのは良かった。岡田くんが見つけ出してきた答えを見て、改めて頼もしいなあって思いましたよ。『俺たちも全力で店主として扱おう!』って感じでしたね」。

 さらに、「常に悩みながら演じてくれました。だからこそ、自分も悩みました。僕が『OK』と言ったら、それで進んでしまいますからね」と告白する。頼れる存在だからこそ、少年のような笑顔を浮かべた山崎監督がどんな無茶ぶりもできるのだろう。「また一緒に仕事をしたいって思わせてくれますよね。今回の映画はチャレンジだらけでしたが、それでもしっかりと乗りこなしてくれた。岡田くんのキャリアの中でも非常に珍しくて、ハードなチャレンジだったと思います」。