モーリス・デッカーズ監督

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 英レストラン誌が選出する「世界ベストレストラン50」で4度も1位に輝いたデンマーク・コペンハーゲンの人気レストラン「ノーマ」のスタッフが、日本で期間限定店をオープンするまでを映したドキュメンタリー「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」が、12月10日に公開される。天才シェフとうたわれるレネ・レゼピらの来日に密着したモーリス・デッカーズ監督が、撮影を振り返った。

 世界で最も有名なレストラン「ノーマ」を題材にした映画はこれまで何本もあり、フード・カルチャー映画の多くにレネ・レゼピが出演している。「誰もが知っているレネを撮っても興味深い映画は作れません。自分に何ができるのかプレッシャーを感じることもありましたが、僕は日本でノーマの映画を撮るうえで、ノーマ東京の15皿目の作品を作ることを心がけることを決めました」と本作の狙いを語る。

 「ノーマ東京」で出された14皿に世界中の美食家からの予約が殺到し、ウェイティングリストは6万人に達した。「日本でしか食べられないからそのようなことになったのだと思います。日本にいる彼らに密着することができるのは僕だけで、それこそが自分がやるべき最も重要なことと気がつきました。ノーマの面々が動く時は、僕も常に動きました。なるべく細かく密着して、世界が初めて見るノーマの素顔をシンプルに撮りためる事に専念をしました」

 レネ・レゼピの人柄について「偉大なのに決して偉そうにしないし、全ての人に平等に優しい人物。同時に、仕事に対しては全員にとても厳しくあります。スタッフがそれを受け入れるのは、それはレネが自分に対して最も厳しく向き合っているのを知っているからだと思います」と評する。また、今世界で最も予約の取りにくいレストランを経営しているのにかかわらず、「レネやノーマのスタッフが本当に好きな料理は安いピザなのです(笑)。映画にも出てきますが、デンマーク店の総料理長のダニーもピザが大好きで夜は家で出前のピザを食べています。レネは幼少の頃、決して裕福でない家族に育ちました。その頃食べていたような安いピザは今でも彼のお気に入りのことです」と意外な事実を明かした。

 レネやノーマのスタッフは過去に何度か来日しているが、デッカーズ監督は今作ために初来日した。「日本の山や森は自然がとても豊かでした。食材だけでなく木の枝の香りや土の香りも素晴らしかったです。それらをノーマに気づかされとても興奮しました。日本の生産者はとても熱心で、彼らの畑は他の外国の畑と違いとても小さくコンパクトでしたが、もの凄く長い時間をかけて、手間暇をかけて作られている畑が多い事に感動しました。それはレネやノーマも同じく感動し、これからノーマが作る畑にも日本の畑作りの技術や精神が込められると思います。ノーマ東京がオープンしたマンダリン・オリエンタル・東京からの富士山の景色は本当に最高でした。レネもよくあの富士山を眺めていました。世界で最も美しい山です」と感動をあらわにしていた。

 「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」は12月10日、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。