「自分もだいぶ変わってきて、お芝居をもっと楽しめるようになってきた」という山田裕貴

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12月10日(土)公開の映画「闇金ドッグス4」。金、暴力、欲望を鋭くえぐる本作品もシリーズ4作目となったが、今回は初の“15禁”となった。主人公でラストファイナンスの社長・安藤忠臣を演じる山田裕貴に、今作の見どころや、役作りについて、そして役者としての変化を聞いてみた。

「升毅さんとの共演は2度目。僕の生意気を受け止めてくれるので甘えさせていただきました(笑)」

――シリーズも4作目ですが、忠臣を演じていて、ご自身の中で変わったことはありますか?

 とにかく、忠臣が大人になったな、と。もっと荒れている時代もあったので、僕自身が年を重ねるのと相まって、忠臣も育っていると感じています。それは僕が年を重ねたからの思いや考えも、忠臣を演じるにあたって反映されている部分もあると思います。例えば忠臣を演じるたびに、「僕自身……もしも山田裕貴が闇金をやっていたら…?」と想像して、いろいろ肉付けしています。そういうことを繰り返していくと、忠臣50と僕50で、足して100になる、みたいな感覚です。忠臣というキャラクターが半分自分になっているので楽しいです。4作目までやらせていただいたからには、まずシリーズ10作までやりたいですね。それ以外の仕事ももちろん全力で頑張ってやらせていただいて、「闇金ドッグス」に戻ってきたときに、積み重ねていったものを還元したい。それで、よりたくさんの人に見てもらえるようになったら…と、そういうことの繰り返しで、作品も僕もいい方向に上がっていければいいなと思います。

――「忠臣と自分で半々ずつの感覚」とおっしゃっていましたが、セリフや動きなど、監督とかなり相談しながらやっているのでしょうか?

 そうですね。台本にあっても、忠臣がきっと思っていないだろうな、ということは言いたくないし、動きたくないなと思います。でもそれは、現場に行って感じることの方が多いです。だから、セリフも“文字として”だけ覚えて現場に行って「忠臣は何を思っているのだろう?」「ここはどういう心境だろう?」と考えて、自然に気持ちを作れるようにやっていると思います。物語の終わりがゴールだと思うので、そこまでにどう動くべきか、どう感情の波を立てるべきかを考えています。

――2016年は映画「ふきげんな過去」、「青空エール」など、様々な作品で様々なキャラクターを演じてきましたが、気持ちの切り替えのスイッチみたいなものはありますか?

 切り替えのスイッチみたいなものは無いですね(笑)。実は無意識なんですが、「闇金ドッグス」を撮影している最中は、口調がきつくなってしまうみたいで、マネージャーさんに注意されます(笑)。全部自分の中にある…というか。僕は各作品の役はそれぞれ「自分がもしこの人物だったら?」と自分のなかで掘って掘って掘り下げて考えているんです。だから「闇金―」の時は忠臣になっている。それで行き詰ったら、自分自身に置き換えて「山田裕貴ならどうする?」と考えます。

 あと、自分のなかで今回は「表現しない」芝居に重きを置いてやってみたんです。自分の中で「引き算の芝居」をチャレンジして。無駄な動きはしない、ということを課題にしていました。今作では、升毅さん演じる、忠臣の過去の兄貴分が出てくるので、ちょっと大人な部分を見せたいと思ったんです。闇金業者としての忠臣は、今までで何人も相手にしてきて、余裕が出ているという部分もある。でも全然笑顔を見せてこなかった忠臣が、尊敬する兄貴分だから、初めて笑顔になったり…。そういう今まで流れや現場で感じてきたことを縫い合わせていった結果、今回は引き算で行こうと思いました。

――そんな山田さんが、現在に至るまでに刺激を受けた出来事は?

 デビューしてすぐの作品が、戦隊モノだったので、以前は別の現場で「戦隊芝居だね」と言われたことが結構あったんです。でも、戦隊モノでも作品の中では僕がやっている役は生きているんだから、戦隊芝居も何もないだろうと思ったんです。

それを長い間、悩んでいたんですけど、ちょっとずつ分かりかけてきたかなって時に、映画「ストロボ・エッジ」の廣木隆一監督に「人間って、怒っているのに笑っているときあるよね」ってボソッと言われて。「ああ、人間ってこういうことやるかも」って腑に落ちたんです。誰だって感情と反比例して、突拍子もないことやることってあるよなって。その時から、もっとお芝居を広く考えようと思ったんです。そのあと、映画「ふきげんな過去」でご一緒した前田司郎監督の「役半分、自分半分でもいいかな?」という考えが、自分にマッチしたんです。でも、そういう考えを生かせる作品もあれば、ダメな作品もある。

 だからそういう考えは、自分の一つの武器にしたいと思ったんです。その武器を溜めていっていざというとき、出せるようにしたいなって。

――そういう様々な経験をして、今があると思いますが、デビューの時に思い描いていた、役者という仕事とは違いますか?

 役者を始めたころは、「努力がすべて」だと思っていました。でも、努力の仕方を間違えていたんですよね。個性を捨てていた。真面目になりすぎたというか…。「努力して上手くやれば認められる」と思っていました。でも、いろいろ経験して「ああ、バカでいいんだ。人間的な内側の部分もさらけ出していいんだな」って思えるようになって変わりました。

 僕、子供のころから“1番”をとったことなかったんです。だから勝負にこだわっていて、役者の仕事も人との競争で、勝ち負けだと思っていたんです。でもそれは間違いで“自分とどれだけ向き合うか”だな、と。だからこそ、いろんな経験をしたいと思います。俳優仲間だけじゃなくて、芸人さんとか様々な職業の方とか、たくさんのジャンルの人と出会って話を聞いて、吸収したいですね。

――最後の締めに、改めて映画「闇金ドッグス4」の見どころを教えてください。

「闇金ドッグス」シリーズもついに4まで来ましたけど、今作は本当に、どっしりくる人間ドラマに仕上がっています。いままで忠臣を演じてきたからこその、感情の機微も表現したので、ぜひ見てほしいです。

――もしも、山田さんが自由に「闇金ドッグス」シリーズの最期のストーリーを決められるとしたら、どんなものにしたいですか?

 う〜ん…。最後、忠臣は死にたいかも。やっぱり“悪いことした人にはそれだけの報いが来る”ということを描きたいですね。でも僕、このシリーズは「闇金ドッグス72」ぐらいまでやりたいので、生涯かけての作品になっちゃうから、長生きして頑張らないとですね(笑)!