白ワインで皮膚がんのリスクが上昇? 他のアルコールは影響なし

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これまでに発表されてきた数多くの研究結果では、適量の赤ワインには心疾患のリスクをいくらか低減させると効果があるとの見解が示されてきた。そのワインについて12月上旬、気になる研究結果が発表された。白ワインには皮膚がん発症の危険性を高める恐れがあるというのだ。

米がん学会の学会誌にブラウン大学の研究者らが発表した論文によれば、毎日グラス一杯の白ワインを飲むことで、最も難治性の皮膚がんの一種、悪性黒色腫(メラノーマ)を発症するリスクが13%高まる可能性がある。そして、驚くことに赤ワインには、そうしたリスクは存在しないという。ビールやその他のアルコールについても調べたものの、メラノーマとの関連が疑われるのは白ワインだけだった。

大規模な調査

調査結果は、18年間に及ぶ大規模な追跡調査によって得られた情報を分析したもの。調査対象者は医療関係者およそ21万人で、うち3分の2が看護師、3分の1が男性の医療関係者だ。また、対象の大半は白人が占めた(つまり、調査結果は白人以外の人種には該当しない可能性もある)。そのほか調査では、交絡因子として家族歴や喫煙の有無なども考慮した。

メラノーマが発生するのは、腹部や背中など日常的には日光に当たっていない部位である確率が「かなり高い」ことが分かった。この結果が示すのは、白ワインの影響は日光とは関連がないということだ。そのほか、飲酒量が多いほど発症の危険性が高まることが確認された。

メラノーマを発症する危険性が13%増すということは、白ワインを飲む人にメラノーマができる可能性が13%あるという意味ではない。この調査では、飲酒の習慣がなかった人(対象者のうち7万1,000人)の罹患率は0.61%。1日当たり10〜20gのアルコール(グラス1杯以上のワイン)を摂取していた人(約2万6,000人)の罹患率は0.85%となっている。つまり生の数値データによれば、危険度の差は0.24%ということになる。

また、調査対象者の中で最も白ワインを多く飲んでいた人たちがメラノーマを発症する確率は、その他のグループより50%以上高かった。ただ、この数字が「相対的な」リスクであることを忘れてはならない。

複数残る「不明点」

この研究結果には、注意すべき重大な点がいくつかある。中でも最も重要なのは、がんが発症するメカニズムが解明されていないということだ。なぜ白ワインがメラノーマを引き起こすのだろうか?

論文の著者らは、発がん性のあるアセトアルデヒドの影響を指摘している。だが、この物質は赤ワインにも含まれている。白ワインの方が危険である理由は特定されていない。また、アセトアルデヒドがその他のがんではなく皮膚がんを発症させる理由も、特に日光に当たらない部位にできるがんを引き起こす理由も、不明のままだ。さらに、上記の飲酒の習慣があった2万6,000人のうち、どれだけの人たちが白ワインを飲んでいたかも明らかにされていない。

それでも「赤」が安心

米国立がん研究所は、アルコールとメラノーマを除いた複数のがんの関連性を警告している。特に、多量の飲酒をする人は発症の危険性が高まるという。今回発表された新たな調査結果もまた、同じ点を指摘している。

筆者は白ワインとメラノーマ発症の明確な関連性を示していないこの調査について、いまだ少し懐疑的だ。だが、それでも年末年始の休暇中にワイングラスに手を伸ばす機会があれば、やはり白ではなく赤を選んでおくべきかもしれないと考えている。