北朝鮮が、鉄道事情の逼迫に伴い、一般住民の鉄道利用を禁止したことが明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、内閣の鉄道省は「朝鮮農業勤労者同盟第8回大会の参加者の輸送のために、一般の乗客の取り扱いを一時的に中断する」との指示を下した。これは、輸送力の著しい不足によるものだ。

平壌と恵山(ヘサン)を結ぶ「1列車」は毎日運行されることになっているが、冬の渇水で水力発電所が稼働できず、電力事情が悪化しているため、実際は1週間に1回しか運行されていない。また、停電の影響で10日かかることもある。

さらに、この列車には4両しか客車がないため、大会参加者全員を一度に乗せることすらままならない。このやり方だと10日はかかってしまう。このような状況なので、一般の乗客を乗せる余裕が全くないとのことだ。

公式の乗車禁止措置は今月1日から行われているが、実際のところ、北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)の復旧作業が始まった9月頃から、一般人の乗車は事実上できなくなっていた。機関車や客車が被災地の復興に投入され、鉄道の運行がまともにできなくなっていたからだ。情報筋は「今回の指示は、乗車禁止措置を公に認めたに過ぎない」と伝えている。

鉄道省はまた、一般人の乗車禁止措置を、降水量が増えて電力事情が好転する来年2月まで続ける決定をしたと情報筋は伝えている。

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、朝鮮農業勤労者同盟第8回大会の参加者を乗せる、平壌行きの専用列車の運行が今月1日から始まった。しかし、停電時にも運行できるディーゼル機関車は、使えない状況だ。

これらのディーゼル機関車は、水害復旧の現場で酷使された上に、衝突事故を何度も起こしており、一部廃車され、残りも修理しなければ使えなくなっている。しかし、部品の調達が困難で、修理ができない。運行に再度投入されるまでは、かなりの期間がかかるだろうと情報筋は見ている。

鉄道が利用できなくなった一般住民は、バスやソビ車(トラックバス)などに殺到している。運賃が鉄道より高い上に、激しく混雑しており、事故の発生が懸念されている。