一夫多妻制、一妻多夫制があるのはどこの国?

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最近では、同性婚が認められる地域が増えるなど、婚姻の形態も世界的にはずいぶんと変わってきているといえよう。日本でも入籍後の姓の変更に関する男女間の不公平を訴える裁判があったことは記憶に新しく、婚姻に関してはこれからも議論が続くだろう。そんな中、現在の日本では、一夫一妻制を取っていて、一夫多妻制や一妻多夫制は認められていない。重婚はできないばかりか、結婚詐欺として犯罪も問われることもある。

しかし我々の常識とは異なり、一夫多妻、一妻多夫が認められている国が今も尚あるという。そんな風習が現在も施行されている国はどこなのか、調査してみることにした。

■アフリカ大陸、とりわけ西アフリカに多い一夫多妻制

まず一夫多妻制だが、アフリカ諸国に多いことがわかった。西アフリカで一夫多妻での婚姻率が最も高いのは「ブルキナファソ」で、「マリ」、「セネガル」、「ナイジェリア」、「コートジボワール」、「ガーナ」、「モーリタニア」と続く。中央アフリカの「チャド」も比率が高く、東アフリカでは「タンザニア」と「ウガンダ」の二国が突出しており、「ケニア」、「ザンビア」、「マラウイ」、「エチオピア」、「ジンバブエ」にもみられる。また、北アフリカの「モロッコ」も同様だ。

イスラム教徒の多い西アフリカで一夫多妻が多く、キリスト教徒が多い東アフリカや南部アフリカで相対的に少ないことから、宗教も要因の一つと推察される。因みにイスラム社会の一部では、コーランによるイスラム法の下、男性一人につき四人までの配偶者がもてる地域があるようだ。

■一夫多妻制を禁止する国も多い

イスラム系の人種が多い国でも、一夫多妻制を法律で規制している国もあるという。

中東、北アフリカ諸国で一夫多妻制を明文で禁止しているのは「トルコ」と「チュニジア」だけだ。だが、一夫多妻制を制限しようとする国は他にもあるようだ。

二人目以上の妻をめとる際、裁判官の許可を必要とする国は、「シリア」、「イラク」、「パキスタン」などで、すでに結婚している妻の了承を条件とするのは、「モロッコ」、「ヨルダン」、「エジプト」、「アルジェリア」などの国である。

しかし、法的に一夫多妻制が認められているからといって、複数の妻をもつ男性は非常に少ないのが現状だという。それは経済的、倫理的規制が働くことが理由のようだ。

それらの国の慣習として、男性は結婚の際、結納金と住居を用意しなければならないため、一般的にはハードルが高い。結局、複数の妻をもつことができるのは、一握りの裕福な男性だけということになるのだ。

また、法的に一夫多妻が認められている「イラン」や「サウジアラビア」のような国でも、重婚をした男性に対する周囲、特に女性の反応が冷ややかとのこと。可能だとはいえ、倫理的に疑問視される場面もあるようだ。

■一妻多夫婚は世界的にもレアケース

では、女性を中心とした一妻多夫婚の例を見てみよう。

一人の女性が同時に二人以上の男性を配偶者とする一妻多夫婚の事例は、現実には非常に少ない。インドの「トダ族」や、同じくインド・ケララ州の領主身分カースト「ナヤール」、他には「チベット人」、ポリネシアの「マルケサス島人」、スリランカの「シンハラ人」などの一部の民族でみられるという。その中でも、兄弟同士で妻を共有する一妻兄弟婚と呼ばれるケースが多くを占めるそうだ。

一妻多夫婚とされる多くの場合、実際に男たちによって共有されているのはその女性との性行為の権利だけだという。生まれてきた子どもは、しばしばその女性と最初に契約を結んだ男の実子とされる。一方、ナヤールの夫たちは妻の元に通うだけで同居せず、生まれてくる子どもに対して一切責任を負わず家族を養う義務もないとのこと。

国が変われば文化が変わるとはいうものの、今回調査した二つの制度や風習については、視点を変えればうらやましいという声もあがるのかもしれないが、近代化が進む現地を含む現代社会なじまず、あくまでも風習や伝統とされるのが現状のようだ。

なお、「教えて!goo」では「一夫多妻制、一妻多夫制についてどう思いますか?」ということで、皆さんの意見を募集中だ。

●参照元
・日本大百科全書(ニッポニカ)・「世界主要国・地域の人口問題(人口学ライブラリー8)」原書房 早瀬保子・大淵寛編著
・「文明の接近」藤原書店 エマニュエル・トッド ユセフ・クルバージュ

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)