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国立成育医療研究センターは12月9日、「離乳期早期の鶏卵接種は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見」とした研究結果を発表した。ただし、実際の鶏卵摂取の方法については、専門医の指導を仰いでほしいと呼びかけている。

同研究成果は、国立成育医療研究センターアレルギー科の大矢幸弘医長らのグループが発表したもの。生後6カ月より固ゆで卵を少量ずつ摂取させることにより、子どもの食物アレルギーの中で最も頻度の高い鶏卵アレルギーを、8割予防できることを、ランダム化比較試験で実証したという。

同センターによれば、これまで、あまり科学的とは言えない方法により実施された臨床研究の報告をもとに、鶏卵やピーナッツなど食物アレルギーの原因となりやすい食品は、離乳期早期からの摂取を避けることが、望ましいと考えられていたとのこと。

しかし、乳児期からピーナッツを食べさせる習慣のある地域(イスラエル)の方が、離乳期にピーナッツを食べさせない地域(英米)に比べ、ピーナッツアレルギーが少ないことも、他の疫学調査で分かってきており、「離乳早期にアレルギーを起こしやすい食品を食べさせると食物アレルギーを予防できるかもしれない」という仮説が提示されたため、研究に取り組んだという。

ただし「この研究は発症予防効果を検討したもの」としていて、既に鶏卵アレルギーと診断されている乳児の鶏卵摂取の可否、および予防を目的とした実際の鶏卵摂取については、専門医の指導を仰ぐ必要があるとのこと。卵の加熱が不十分だと、抗原性が高くなって危険なため、自分で調整することはせず、「必ずアレルギー専門医に相談してください」と呼びかけている。

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