2020年以降、電動車両が増えていくと考えられていますが、トヨタは「Toyota New Global Architecture(TNGA)」により、エンジン・トランスミッション・ハイブリッドシステムといったパワートレインを一新します。

その発表と同時に、新型2.5リッターエンジン、横置き8速AT、ハイブリッドシステムが世界初公開されました。

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『Dynamic Force Engine』と名付けられた新型の直列4気筒エンジンは、基本となるアーキテクチャからゼロベースで開発されたもの。シリンダー内に強いタンブル流を生み出す理想的なポート形状や、ボアストローク比を約1.2とするなど、最適な高速燃焼を実現する共通要素を導き出したといいます。

そうした共通アーキテクチャに基いて生み出された最初のエンジンといえる、この2.5Lエンジンは、新開発8速ATとハイブリッドのいずれとも組み合わせる予定となっています。

詳細なデータは未公表ですが、最大熱効率はコンベンショナル仕様で40%、ハイブリッド仕様で41%と従来のトップランナーを大きく上回る数値を実現。最高出力はリッター当たり60kWといった数字がアナウンスされました。

なお、燃料噴射装置は新型マルチホール直噴インジェクターを基本とし、エンジン始動時などにポート噴射を使う、併用型のD-4Sとなっています。

『Direct Shift』と名付けられた新型トランスミッションは、FF用8速ATと、海外で発表済みのFR用10速ATが公開されました。高効率なエンジンのさらに”オイシイ領域”を活用する制御、伝達効率の向上、走りを楽しくする高応答変速といった要素をバランスさせた新型トランスミッション・シリーズです。

世界初公開となった8速ATは、伝達効率向上のために超仕上げ歯面ギヤを採用。ロックアップ領域を広げるために多板クラッチを用いるなどステップATでありながら、名前の通りにダイレクト感を狙ったメカニズムとなっているのが特徴です。

また、FR用10速ATは世界最速かつスムースな変速がセールスポイント。0.22秒という世界最速クラスの変速時間を実現しています。

次期カムリから搭載されると予想される2.5リッターのコンベンショナルエンジンとハイブリッドシステム。ハイブリッドユニットはプリウスの構造を基本に、高トルクに対応したタイプとなっています。

こうして新型エンジン・トランスミッションを発表する一方で、2020年以降の電動車両の増加トレンドに対しては、300名程度のエンジニアを従来の内燃機関中心の部署からハイブリッド部署にシフトすることで対応するという発表もありました。

トヨタでは電動化をハイブリッド技術と称していますから、ハイブリッド・電気自動車・燃料電池車といった電動車両の拡大に向けて、開発リソースの配分についても着手しているというわけです。

基礎研究段階からサプライヤーや協業している他社と密接に連携を取ることで、次世代テクノロジーの開発を加速させるといったように開発体制も見直されるということです。

環境対応を考え、今回発表された新技術を盛り込んだ新世代パワートレインの導入は急がれます。2021年までに『Dynamic Force Engine』は9機種17バリエーション、『Direct Shift』は4機種10バリエーション、ハイブリッドシステムは6機種10バリエーションと一気に市場導入することも発表されました。

(山本晋也)

トヨタが最大熱効率41%の2.5リッターエンジンなど、TNGAパワートレインを発表(http://clicccar.com/2016/12/09/424128/)