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By █ Slices of Light █▀ ▀ ▀

飛行機に乗る際に、特にLCC(ローコストキャリア)の便では貨物室に預ける荷物に別料金がかかることがあります。これは大手の航空会社でも見受けられるケースで、特にアメリカの航空会社ではLCC以外でも別料金がかかるケースも珍しくないとのこと。もとは原油価格の高騰が原因で導入された別料金制度ですが、原油価格が落ち着いた後でも同様の料金体系が継続されているのはどのような理由があるのか、ニュースメディアのVoxがまとめています。

Fuel is cheap. Why are we still paying to check bags? - YouTube

飛行機に乗る際にスーツケースなどの荷物を預ける光景をよく見かけます。1個めの荷物は無料になることもありますが、2個以上の場合や、航空会社によっては荷物が全て有料になるケースも。



アメリカの航空会社では、預け荷物1個あたり25ドル(約3000円)の追加料金が必要になることもあります。



この預け荷物に対する追加料金制度が導入されたのは、2007年と2010年以降に原油価格が大きく上昇し、それに伴ってジェット燃料の価格も高騰したことが原因。しかし、2014年には原油価格は落ち着きましたが、多くの航空会社では追加料金制度がそのまま残されています。



そんな中でも、LCCの1つであるサウスウエスト航空は、大手航空会社の中で唯一、預け荷物の料金を徴収しない料金キャンペーンを実施しています。



多くの航空会社が追加料金制度を残しているのは、大きな収入源になっているからです。統計によると、2008年以降は航空会社が乗客から徴収した預け荷物料金の額は大きく上昇しており、1年あたり40億ドル(約4500億円)にものぼるとのこと。燃料価格が高止まりしていた頃はこの売上からジェット燃料代が充てられていたわけですが、燃料費が下落した2014年以降も同じように徴収された料金は、そのまま航空会社の利益として残ることになります。



また、税制度もこの流れに拍車をかけているとのこと。アメリカでは2008年まで、航空会社のチケットの売上の7.5%が消費税として徴収されていました。



しかし2008年を境に、預け荷物の料金には税金がかからないように制度が変更されたため、航空会社は料金体系を見直してチケット代を安くするかわりに荷物の運賃を徴収するようになったとのこと。さらに、持ち込み荷物が増えると機内のオーバーヘッドスペースが不足する事態を生みます。そこで航空会社は、一足先に機内に乗り込んで荷物を置くことができる優先搭乗制度を有料化。この料金にも税金がかからないため、「追加料金ありき」の価格設定が加速しました。



その結果、航空会社の利益は2013年ごろから大きく増加することに。この背景には、大手航空会社の合併などの要因も存在していますが、原資となる料金からの収益性が上がった影響は小さくありません。



利益が上がれば、その分を運賃に反映して安くすることも可能ですが、航空業界は全般的に乗客が増加傾向にあるため、無理な値引きを行って客を増やす必要がありません。このような状況で、航空会社は過去数年にわたって大きな利益をあげているとのこと。



さらに、手荷物が増えたことで荷物のセキュリティチェックに要する時間が大幅に増加しました。ピークの時期には空港のセキュリティチェックに3時間以上も待たされる状況が続発。この状況を見て、航空会社に料金体系の見直しを求める声が政府や議会からも挙がったそうです。



では、思いきって預け荷物料金を下げれば全てが丸く収まるのかというと、現実はもう少し複雑なようです。



ある研究によると、預け荷物が減ったことで航空機の定時率が向上し、遅延時間が平均で2分減少したことが明らかになっています。



空港での待ち時間が増えた一方で、貨物室の荷物の取扱量は減るという現象が生じます。これによるメリットも生まれています。



それは、乗り継ぎの際などに発生する荷物の紛失(ロスト・バゲージ)が減少していること。また、定時率が向上したことで定刻通りに目的地に到着することも増え、乗り継ぎ便に乗り遅れてしまうケースも減少しているとのこと。



たしかに、荷物に料金を払うことにはネガティブな感情がつきまとうものです。しかし、このように全体を見てみると、一部ではメリットが生じているというのも事実です。