現地時間7日に行われたソーラーストラトス号のお披露目の模様。(写真:ソーラーストラトス公式サイトより)

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 オーギュスト・ピカールという人物をご存知だろうか?1931年、水素気球を用いて、人類として初めて成層圏に到達したスイスの冒険家である。それから八十余年。人類は再び、「宇宙の淵」を目指そうとしている。ただし今度は、太陽の力だけで、だ。現地時間7日、スイスのパイエルヌで、成層圏到達を目指す「ソーラー飛行機」、その名もソーラーストラトス号(ストラトスとは成層圏、stratosphereの事)のお披露目が行われた。

 このプロジェクトを企画・主催しているのは、同国の冒険家・エンジニア、ラファエル・ドムヤン氏である。氏は語る。「我々は、現在のソーラー技術が、化石燃料の為し得る以上のことを為し得る可能性を示そうとしています。」

 成層圏とは、地球の大気構造の中で、対流圏(地表に近い側)と中間圏(宇宙側)の間に位置する層のことである。具体的な高度は緯度により違う。赤道直下で高度1万7,000メートから5万メートル、極地では高度8,000メートルから5万メートルが成層圏だ。

 ジェット機であれば、民生用の旅客機であっても成層圏到達はさほど難しくはない。特に必要もなく、また技術的な弊害も生じるからそこまで高く飛ばないというだけのことである。特例として、もはや歴史上の存在となってしまったが「超音速旅客機」コンコルドは恒常的に成層圏を飛行していた。しかし、太陽光のみを動力とする飛行機での成層圏到達は、実現すれば史上初の偉業となる。

 ソーラーストラトス号は、複座で、翼に22平方メートルの太陽電池パネルが取り付けられている。ドムヤン氏の声明によれば、来年2月に試験飛行を開始し、同年夏に中高度の飛行、そして2018年に成層圏到達を目指すという。

 なお余談となるが、今年7月には、やはり同じくスイスの冒険家2名が、ソーラー飛行機による世界一周を達成している。スイス人の空にかける冒険精神には恐れ入るばかりである。