2月11日より公開される中田秀夫監督、飛鳥凛主演の『ホワイトリリー』 (C) 2016日活

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日活ロマンポルノとは何なのか。「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」が始まったのを機に改めて見てみよう。

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日活ロマンポルノとは、文字通り映画会社・日活が作るロマンポルノ(成人映画、ピンク映画)だ。日活ロマンポルノとピンク映画の違いを同社の公式サイトでは「ロマンポルノは、一般映画の製作費の4分の1という低予算、製作日数10日間、スタッフも一般映画の半分という状況ではあったが、2、3人で製作していたピンク映画に比べるとはるかに規模が違っていた」と解説している。

一般映画を製作していた日活がなぜロマンポルノを作るようになったのか。それは当時の映画界が置かれた状況と関係がある。

1950年代後半の映画人口は年間10億人を超えていたものの、60年代に入るとテレビの普及や娯楽の多様化で急激に人口を減らし、70年には2億5480万人にまで縮小。日本映画界は「斜陽産業」とよばれるようになる。71年には大手の一角、大映が倒産する。

そこで日活では低予算で利益が上がる成人映画をラインアップの柱とし、71年の『団地妻 昼下りの情事』『色暦大奥秘話』から日活ロマンポルノをスタートさせる。

 ロマンポルノは数多くの人材を輩出した。監督でいえば、村川透、根岸吉太郎、金子修介、石井隆、周防正行、相米慎二、滝田洋二郎、女優では美保純、男優では蟹江敬三、風間杜夫、内藤剛志など。またロマンポルノの中で作家性を発揮した監督として、神代辰巳、小沼勝、加藤彰、田中登、曾根中生が知られている。

 なぜ数多くの人材を輩出できたのか。ロマンポルノの製作システムが背景にある。一定のルール(「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」など)さえ守れば比較的自由に作ることができたため、監督たちは低予算ながら新しい映画作りを模索。また、通常3本立ての上映を維持するため量産体制を敷いたことで若い人材が育成された。

80年代に入り家庭にビデオデッキが普及し、アダルトビデオが低料金でレンタルできるようになると、日活ロマンポルノに足を運ぶ人は次第に減り、88年に幕を閉じた。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。