がんで亡くした息子の面影を赤ちゃん人形に(出典:http://www.dailymail.co.uk)

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亡くなった我が子に生き写しで作られる赤ちゃん人形は「リボーンドール」と呼ばれ、多くの母親の悲しみを癒す存在となっている。オーストラリアのタスマニアに暮らすベティー・ベイディングさん(65歳)は、コレクターでありながら自身もリボーンドールを作成している。このほど英紙『Daily Mail』は、ベティーさんが今年6月にがんでこの世を去った息子のリボーンドールを購入し日々癒しを与えられていると報じている。

ベティーさんは、20代の頃からリボーンドールを集めることと作成することに情熱をかけ始めた。あっという間に30体以上ものリボーンドールを集めたものの、不幸なことに30年前に自宅が火事に見舞われ、5体以外の人形が全て燃えてしまった。

2010年、ベティーさんはステージ4の乳がんになり6回の化学療法を経たが、その2年後に脳梗塞で倒れ、現在は歩行器無しでは生活できない体になってしまった。

5人の子供の父親である息子のグレッグさんがホジキンリンパ腫と宣告を受けた時、ベティーさんは悲しみに打ちひしがれた。余命間もない息子に「お母さん、もう一度人形を集めたり作ったりしてみたらどう?」と励まされ、少しでも気が紛れるならと昔の趣味を再開させるようになったそうだ。

ベティーさんはある日、インターネットで娘のリネッテに瓜二つの人形を見つけ、購入。そしてグレッグさんにそっくりな人形も欲しいと思い同じアーティストに写真を送って依頼した。リボーンドールはまるで人間のように繊細に作られるため、費用は決して安くはない。ベティーさんもこの2体の人形に1200ドル(約14万円)を支払ったという。

グレッグさんは今年6月に39歳で死去したが、生前にグレッグさんの赤ちゃん時代にそっくりな人形を見せたところ喜んでいたそうだ。ベティーさんは現在、夫のアントンさん(76歳)と一緒にすでに40体ほど集めており、総額は12,000ドル(約137万円)にものぼる。

ベティーさんは同紙に「この人形を人間のようにお世話する人もいるけれど、私はあくまでも人形だと思っているの。でも、亡くなったグレッグの赤ちゃん人形を抱きしめていると心が落ち着くし、悲しい気持ちが癒されるのよ」と言い、『抱っこセラピー』として効果があると話している。

そんなベティーさんは、人形とともに近所の老人介護施設を訪れることもあるという。

「施設には認知症のお年寄りがたくさんいて、とても孤独なのよ。大抵の人は喜んでくれて、人形を膝の上に乗せて子守唄を歌ったり抱きしめて涙ぐんだりしているの。みんな自分の子供たちのように感じているのでしょうね」とベティーさんは語る。

息子を亡くした悲しみや傷は簡単には癒えない。しかしベティーさんにとって、グレッグさんに瓜二つのリボーンドールは心を癒す特別なものとなっている。

出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)