福島県出身の女子中学生が書いた「福島県民お断り」という作文が共感を呼んでいる。法務省と全国人権擁護委員連合会が主催する「第36回全国中学生人権作文コンテスト」に応募されたものだ。

彼女の故郷・福島の野馬追(Hajime NAKANOさん撮影、Flickerより)

同コンテストは法務省が1981年度から実施しているもので、「人権尊重の重要性、必要性についての理解を深めるとともに、豊かな人権感覚を身につけること」を目的としている。法務局・地方法務局ごとに地方大会を実施し、選ばれた代表作品が中央大会に推薦され、審査・表彰が行われる。

話題の作文は宮城県大会に応募された9999作品の中から、仙台法務局長賞を受賞し、中央大会では法務省人権擁護局長賞を受賞した。

「偏見」と「共感」

作文は自身の体験から感じた「偏見」と「共感」について綴られている。要約するとこうだ。

福島県南相馬市で生まれ育った彼女は、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた。しかし待ち受けていたのは、「福島県民お断り」という「偏見」だった。それは震災から5年が経った現在も消えていない、と彼女はいう。そんな苦しむ彼女の心を救ったのは、同じく震災で大きな被害を受けた宮城県女川町でできた友の存在。心に寄り添い共に乗り越えようとする「共感」が彼女を支えたのだ。

現在ツイッターを中心にネット上で拡散されており、一人でも多くの人に読んでほしい、この思いを共有したい、と共感の輪が広がっている。

同コンテストの宮城県大会を主催する仙台法務局に電話で話を聞くと、ネットでの反響は把握しておらず、2016年12月7日現在、取材や問い合わせの連絡もないという。

作文は12月3日付の河北新報の朝刊に掲載されているほか、東北電力グリーンプラザで9日まで行われている「中学生人権作文優秀作品展」で読むことができる。来年には作文集も制作されるそうだ。

「それぞれに大変で、それぞれを想っている」

少しでも多くの人が共感し、手を差し伸べられますように。