日本で発売されているギャバ配合の食品

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働く人の精神的な不調を未然に防ごうと、50人以上の従業員がいる企業に「ストレスチェック」の実施が義務化されて1年が経った。

ストレスへの注目度が高まるなか、抗ストレスの成分として、注目されているのは、アミノ酸の一種「ギャバ(GABA=Gamma Amino Butyric Acid)」だ。

働く人のストレスを軽減することにより、QOLの向上に寄与することを目的として活動する「ギャバ・ストレス研究センター」のマスコミセミナーが2016年10月14日に行われ、記者も参加し、最新の動向を聞いた。

避けられないストレスも緩和

ギャバは、もともと体内にある物質。主に脳や脊髄にあり、ドーパミンやアドレナリンなどの過剰分泌を抑制して興奮を鎮めることで、リラックスをもたらすのに役立っている。

「1回30mg以上を摂取すると、ストレス緩和や睡眠の質向上が期待できる」と会長の吉川敏一氏(京都府立医科大学長)が最初に説明した。

セミナーでは「ギャバ・ストレス研究センター」がこれまでに行った実験結果が2つ紹介された。

ひとつは、高さ54メートル吊り橋を渡るときのストレスを日常生活の避けられないストレスに見立てた実験。吊り橋を渡る前、中間、渡り終わった後の3か所で唾液中のストレス指標や心拍数を測定し、ギャバを摂取した人としていない人で比較した。その結果、GABAが「避けられないストレス」を緩和することがわかった。

もうひとつは、満員電車内での実験で、ギャバを摂った場合、ストレスは半分になった。

機能性表示食品もギャバを使ったものは多い。2016年10月時点で、消費者庁に届出が受理された中で、ギャバは第3位(25件)だった。デスクワークに伴う一時的な精神的ストレス緩和するとしたチョコレートやゼリー、飲料がある。

ほかにもギャバは、血圧を下げる機能もあり、血圧が高めの方に向けたギャバ配合のおかゆやクラッカーも売られている。

ちなみに、1位は難消化性デキストリン(58件)で2位はDHA・EPA(46件)だ。

筋肉肥大にも効果あり?

セミナーでは、海外のギャバ事情についても紹介された。

サプリメント大国の米国で、ギャバ市場は大きくなりつつあると講演したのは、自然療法医で米国の老舗健康食品メーカーNatural Factorsのマイケル・マーレイ氏。その理由は、ギャバの効果を実感している人が多いからだという。

最近、米国で注目された臨床研究として、今年発表されたギャバの筋肉への効果を示した論文を紹介した。毎日ホエープロテインのみを摂取する人と、ホエープロテインにギャバ100mgを加えたものを摂取する人とを12週間後に比較。どちらも週2回はトレーニングを行った。その結果、ギャバをとった人の方が筋肉量は増えていたという。

マーレイ氏は、米国でサプリメントだけでなく、一般食品にもギャバ配合の商品が認められれば、ギャバ市場は今後、もっと伸びるだろうとした。

一方、中国では今年、ギャバのトクホ飲料が初めて発売されたこともあり、睡眠改善や抗ストレスブームが起こりつつあるという。

医師・専門家が監修「Aging Style」