ボーナス格差拡大! 大企業と中小企業では3倍以上

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■「えっ!ボーナスって、そんなに出るの?」

「夏ボーナスの平均妥結額は84万3577円 − 過去2番目、9年ぶり高水準」

これは、情報サイト「マイナビニュース」に、今年9月19日付けで掲載された記事のタイトルです。

「えっ! ボーナスって、そんなに出るの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

それも、そのはず。その記事の金額は、厚生労働省が集計した、資本金10億円以上かつ従業員1000人以上の労働組合のある企業が調査対象となっています。いわゆる大企業です。

グラフは、同じく厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査」で、企業規模別の夏季賞与額の推移を示したものです。見事に、企業規模別に賞与水準が分かれています。

5〜29人の企業平均額に対して、500人以上では2.5倍程度、冒頭記事にあった1000人以上の大企業では3倍以上の賞与水準となっています。ちなみに、月給の企業規模差は、せいぜい2倍程度です。

しかも、このグラフでは、2010年と比較して、499人以下の企業は軒並み横ばいか下降傾向であるのに対して、500人以上の企業だけが、賞与水準を増やしています。企業間格差は拡大している、と言えるでしょう。

■ボーナスは何によって決まるか?

そもそも、賞与とは、どのような意味を持つものでしょうか?

代表的な考え方としては、

(1)恩恵的賃金説:盆・暮れに出される、経営者からの恩恵的な性格の賃金
(2)賃金後払い説:毎月の給与の補てんとして、年2回程度支給される賃金
(3)利益配分説:会社の一定期間の利益から、貢献に応じて配分される賃金

といったものですが、近年では、「2.賃金後払い」と「3.利益分配」の綱引き、ということになるでしょうか。

大企業の賞与が高いのは、中小企業より儲かっているから。これは、もともとの月給水準が高いだけでなく、「3.利益分配」の性格が影響していると考えられます。

一方、たとえ赤字であっても、賞与をゼロにしない会社も少なからず存在します。これは「2.賃金後払い」としての要素を、その会社が認めているからかもしれません。過去に蓄積した利益から賞与原資を捻出することで、社員の生活面への影響に配慮しているのです。

住宅ローンやクレジットカードにも、ボーナス払いがあるくらいですので、多くのサラリーマンがそれをアテにして、生計を立てているでしょう。

とはいえ、業績が悪くても賞与を出すのは、企業体力のある大企業の特徴でもあります。

大阪シティ信用金庫が、今年の夏季賞与時に、取引先の中小・零細企業に対して行った調査によると、「賞与を支給しない(少額手当は支給する会社含む)」と回答した会社が約4割に上っています。

やはり、企業間格差は、想像以上に激しいようです。

さて、12月は、冬のボーナス支給に関するニュースが、新聞・雑誌やWEB上を賑わすシーズンです。以上のような情報を参考に、お読みいただければと思います。

(新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口俊一=文)