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化学他社にはないユニークな製品群を持つ総合化学の昭和電工だが、ここ数年は収益が伸び悩む。懸案の黒鉛電極事業ではこの10月、ついに業界再編に踏み切った。同社はどう収益アップを図るのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)

 石油化学製品の大本となるエチレンから、ハードディスク(HD)やアルミ缶まで、多様かつユニークな製品ラインアップを持つ総合化学メーカーの昭和電工。しかしここ数年は、その特異性を生かし切れずに収益が伸び悩んでいる(図(1))。

 売上高は、2007年度から2期連続で乗った1兆円の大台からしばらく遠ざかり、営業利益もここ10年、減少傾向が続いている。

 15年度までの5年間は「ペガサス」と銘打った中期経営計画を掲げていたが、全体的に実績が計画から下振れることが多かった(図(2))。売上高は5年間で年平均1割強、営業利益は同4割弱、下回る。なぜなのか。ペガサスの両翼に据えていたHD事業と黒鉛電極事業に逆風が吹き、低空飛行を余儀なくされたからだ。

 計画を立てた当初は、どちらも調子が良かった。鉄スクラップを溶かして鋼材にするため電炉で使われる黒鉛電極は、新興国の経済発展などにより安定的な需要の増加が見込まれた。HDも、ハードディスクドライブ搭載のデジタル家電が増えると予測され、独自技術を投じた高容量HDの需要も拡大するはずだった。

 ところが、黒鉛電極は中国の高炉メーカーによる鉄の過剰生産で電炉メーカーの稼働率が低下し、出荷が減少。価格も急落し、いまや5年前の5割に沈んでいるとされる。HDは値崩れはないものの、パソコンからスマートフォンへの移行が予想外に速く、需要の急減に対応し切れなかった。

 結果、これら二つの事業は稼ぎ頭になるどころか、てこ入れを要する事態に陥った。HDを含むエレクトロニクスセグメントの営業利益は12年度以降、減少傾向。黒鉛電極を含む無機セグメントに至っては、15年度まで3期連続で営業赤字に沈んでいる。

 そこで黒鉛電極では、今年度上期(1〜6月)に長野県の生産能力を3割削減、米国拠点での人員削減なども進めた。HDも生産ラインを集約し、4拠点の合計能力を3分の2に減らしている。

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