俗に、疾病の三大激痛の一つといわれる痛風発作。後の二つは尿路結石だ、心筋梗塞だ、胆石だ、急性膵炎だと諸説あるが、痛風の地位は揺るがない。

 痛風は血液中の尿酸が、長い間に結晶化して関節にたまる「尿酸塩沈着症」が本態だ。沈着した結晶を排除すべく免疫反応が起こり、炎症と発熱、腫れや痛みが生じる。

 初発作のほぼ7割は、足の親指の付け根で発生する。時には靴も履けず、真冬にサンダルで出勤する羽目になる。

 日本の診療ガイドラインでは、血中尿酸値が7.0mg/dLを超えるケースを高尿酸血症と定義し、生活習慣の是正などで、6mg/dL以下に管理するよう推奨している。

 一方、先月に米国内科学会(ACP)から出された診療ガイドラインでは、血清尿酸値の治療目標そのものを撤廃。一律に境界線を引けるだけの根拠がないからだ。尿酸値のコントロールは大切だが、どこまで下げるかの目標値は、個々人で設定する必要がある。

 痛風発作の治療には、日本でもおなじみの薬が推奨されている。すなわち、痛みの前兆〜痛み始めにはコルヒチンを、激痛真っただ中ではノン・ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)か副腎皮質ホルモン、である。

 注意したいのはコルヒチンの服用量だ。ACPは、高用量と比較し「効果に差がない」ことを理由に、1日1.8mgまでの低用量処方を推奨。コルヒチンは過量投与で激烈な下痢症状など胃腸障害が強く出ることがあり、効果が同じなら低用量に越したことはない。

 一方、日本の添付文書を見ると1日3〜4mgが標準用量だ。ただ、予防的には1日0.5〜1.0mgとされているので、処方時に医師とよく相談するといい。

 高尿酸血症発症リスクは、肥満、高血圧、暴飲暴食など。プリン体豊富な肉・魚もだが、実は果糖(フルクトース)が危ない。

 果糖は加工食品や清涼飲料水の甘味料としてよく利用される。知らずに大量摂取しかねないわけだ。

 まず、日々のジュースや缶コーヒー、コーラの消費量を振り返ってみること。飲み会の「最初の一杯」を制限するのはその後でいい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)