“水10”ドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』も本日いよいよ最終回。先週放送の第9話は、これまで最高の視聴率13.2%を記録! 『逃げ恥』の話題性には及ばないかもしれないけど、この数字は“地味”な人気に支えられた好ドラマだってことの表れだろう。うーん、地味でも頑張ってると良いことあるよね。


衝撃! 悦子が地味になっちゃった!


先週放送の第9話は、無敵の校閲者だった河野悦子(石原さとみ)が自分の存在意義に悩むエピソードだった。

「ま、世間の人は校閲の存在すら知らないだろうけどね」
「どんなに頑張ろうともどんなに苦労しようとも、誰からも評価されることはない。校閲とは本来そういう仕事ではないですか」

校閲部の同僚・米岡(和田正人)と藤岩(江口のりこ)の言葉だ。どちらもその通りなのだが、悦子はどうにも腑に落ちない。編集者の貝塚(青木崇高)には存在をなかったことにされ(インタビューで校閲部に感謝する編集者は、たしかにいない)、ヘルプで訪れた憧れのファッション誌『Lassy』の副編集長(伊勢佳世)には「校閲は余計なことするな」と言い渡される。あげくの果てには凡ミスをやらかしてしまい、また副編集長に厳しく叱責されてしまった。一方、後輩の森尾(本田翼)はどんどん抜擢されて輝きを増している。

完全に落ち込んだ悦子は、大好きだったファッションも元気も失って、完全に地味モードに。心配してそっと様子を見に来たり、ささやかな差し入れをする校閲部の仲間たちの様子が泣ける。愛されてるなぁ、悦ちゃん。

悦子に好意を寄せるようになっていた幸人(菅田将暉)も、悦子のことを心配してデートに誘う。幸人は悦子に、自分が取材している暮らしを支えて働く人たちのことを話す。公園の遊具を点検する人たちがいるから子どもたちが安全に遊ぶことができる。橋や線路を点検する人たちがいるから、橋を渡ったり電車に乗ったりすることができる。

「全部当たり前に思えることだから、いちいち喜んだりしないし、いつ誰が点検しているかなんて考えもしないけど、でも、どれもすごい仕事だって思わない?」
「思う」
「当たり前のことを当たり前だって思えるのは、それを陰で守っている人たちがいるからなんだよね」

これはもちろん校閲のことでもあるし、ドラマを見ている視聴者のことでもある。誰かのために頑張って仕事をしている人たちは、たとえどんなに地味でも誰だって「陽の当たらない場所で輝いている人」(幸人のセリフ)だ。仕事に疲れた体に染み渡るセリフだねぇ……。逆に、自分の利益のためだけにあこぎな商売をしている人たちは、いつか輝きを失う。

スカーフ一枚で大変身できるコーエツ力


幸人も茸原(岸谷五朗)も同じことを言っているが、校閲という仕事は1000個ミスがなくても1個のミスですべてが台無しになる厳しいもの。存在感がないということはミスがないということで、歓迎すべきことなのだ。米岡と藤岩の言っていることは正しかった!

悦子が森尾から借りて元気になったスカーフは、これまで毎週のように登場しているmanipuri(マニプリ)のバルーンスカーフ。「バルーン」とは文字通り気球のことで、さまざまな気球がプリントされている。アンティーク感もあって人気の柄だが、まさに気分が「上がる」ことを象徴しているように思える。

地味なグレーのニット姿なのに、バルーンスカーフを頭に巻いて、丸メガネ(MYKITAのSIGURというメガネらしい)をかければ、いつもの河野悦子に変身! 石原さとみが可愛いというのも当然大きいんだけど、ファッションの力ってあるんだなぁ、と思った次第。

ファッションといえば、悦子がちょくちょくバルーンスリーブ(こっちは柄ではなく風船のように大きな袖のこと)のニットを着ていることがあるんだけど、あれ、朱入れしたゲラと擦れて汚れないのかな? それがずっと気になってます……。

さて、悦子と幸人の恋の行方は次回に持ち越し。はたしてどんな結末が待っているのか? 『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』の最終回は今夜10時から!
(大山くまお) 

参考→「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」の原作を絶対読むべき理由