高収入でもギリギリ生活のワケ FPが指南する“貧困”脱出術

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一流企業に就職して年収は人並み以上で、勝ち組のはずなのに貯蓄はなく毎月ギリギリの生活。収入の分だけ贅沢な暮しをしてしまう世帯が増えているという。どうにかならないものだろうか。専門家に相談してみた。

■高止まりする生活水準

「収入が多いとその分支払いが増えます」――単刀直入に答えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんだ。

「例えば、住民税は前年の所得が多ければ翌年にかかってきます。こうした税金面での負担も多くなるのが一つと、一流企業に勤務する人との付き合いも多くなることでしょう。そのため、交際費も多くなりがちです」と説明する。

不況で前年並みの収入を得るのが難しい人も多いだろう。会社の経費も以前と比べて使いづらくなっているはずだ。

さらに伊藤さんは「世間体もあり、ある程度の身なりや居住地に住む必要も出てくるでしょうから、そうしたコストが積み重なっていくと意外に貯蓄できなかったりするのではないでしょうか」と推測する。

そして「こうした習慣がつくと、なかなかそれ以下の生活水準に切り下げることが難しくなります。そのため、好不況にかかわらず、生活水準が高止まりすることが原因です」とラチェット(歯止め)効果について言及する。

ラチェット効果は景気の底堅さを示すキーワードとして使われることが多いが、本人にしてみれば貯蓄を切り崩しているわけでたまったものではない。

■見栄や自己満足との闘い

景気が劇的に上向く気配もなく、このまま年を重ねていくのでは不安は募る一方だ。贅沢をやめて暮らしを質素にするにはどのような工夫が必要なのだろうか。伊藤さんは「できるところから始めればよいと思います」と話す。

まずは自炊。舌が肥えてて食材にこだわったとしても、自宅でおいしいものを食べれば、外食に比べそれなりにコストは下げられる。無駄なものは買わないことも大事だ。衝動的なネット買いをやめよう。伊藤さんは「こうした行動を制御できれば、ある程度の贅沢を維持することは可能だと思います」と提言する。

ハードルは上がるが、「贅沢な暮らしをストップするならば、家賃を下げる、高級車に乗るのをやめるなど思い切った削減方法はいくらでもあります」とも。「見栄や自己満足をどこまでとるのか、その気持ちとの闘いでしょう」と励ましの言葉を送る。

■贅沢な気持ちで貯蓄も

一度身に付いた贅沢癖は死ぬまで治らないという人もいる。高度成長期やバブル期の経験があればなおさらだ。贅沢な気持ちを満足させつつ、貯蓄もできる方法はないものだろうか。

伊藤さんは「増やすという観点が必要かもしれません」とアドバイス。続けて「ただし、金融商品はリスクがつきもの。必ず増えるとは限りません。無難なのは、強制的に積立て貯蓄を行うこと」とクギを刺す。

そして「ある程度年収があり余裕があるのであれば」と断ったうえで、「贅沢品を購入する資金の中から一部を(機関投資家や富裕層を対象に絶対的収益を追求する)ヘッジファンドなどに充てるのがよいのではないでしょうか。また、不動産投資により家賃収入を得るのもよいでしょう」と提案した。

富裕層、不動産というキーワードに魅力を感じる人は多いだろう。伊藤さんも「贅沢品は消耗すればなくなります。不動産は資産として残りますし、ヘッジファンドなどは資産を守る観点からは適しています」と勧める。

さらに贅沢な気持ちを満足させるものとして、「このほか、宝石など大きく価値をあるものを購入していくのも資産をためる意味ではよいかもしれません」。趣味や嗜好を資産形成に生かせられれば毎日の暮らしも一段と楽しかろう。

「教えて!goo」では「お金が掛かる趣味といえば何だと思いますか?」ということで皆さんの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:伊藤亮太(URL)
ファイナンシャル・プランナー。慶大院卒業後、証券会社の経営企画等を経て、現在は独立系FPとして、資産運用中心にFP相談・執筆・講演を行う。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)