IoT関連の取り組みを説明する大三川 副社長

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 トレンドマイクロが発表した「ウイルスバスター for Home Network」は、ソフトウェアではなくハードウェアの新製品。スマートフォンやPCなどのデジタル端末からスマート家電までまとめて保護するため、通信の入口となる無線ルータに接続することで、ネットワーク全体を保護する新しいアプローチだ。

 IoT時代の本格的到来を前に、各セキュリティソフトメーカーは、ホームネットワークやスマート家電の保護に注力している。

 トレンドマイクロが、IoT時代を見据えて取り組んでいる分野は、自動車・産業用途・コンシューマの3分野。「ウイルスバスター for Home Network」の製品発表会で、取締役の大三川彰彦副社長は「これらの分野は非常に成長率が高く、総務省の発表によれば、2020年までに年間平均で15%以上の成長が見込まれている」と話し、IoT関連の取り組みを説明した。

 期待が高まる一方で、避けられないのがネットワークと接続する機器に対する攻撃だ。すでにスマートテレビやWebカメラでウイルスが感染したという報告も多数あがっており、近い将来の脅威ではなくなっている。

 大三川副社長は、直近の動向として「Mirai(ミライ)」という新型ウイルスの事例を紹介。「今年の9月頃から攻撃が頻発している。従来のターゲットであったPCやスマホではなく、Webカメラなどのスマート家電を踏み台にして、ネットワークやサーバーに攻撃するのが特徴。これらの端末は管理コンソールに簡易なパスワード設定をしているケースが多く、恰好の的になっている」と警鐘を鳴らした。

 今回、発表した「ウイルスバスター for Home Network」は、IoT時代のセキュリティ新製品と位置づける。価格は税込み1万9224円。販売目標は、2017年2月末までに1万ユーザー。現時点のIoTセキュリティに関する一般ユーザーの関心度が見えていない部分もあり、やや控えめな設定だ。時代の要請に応えるスタンダードなセキュリティ対策となるか。新しい脅威の啓蒙を含めた販売戦略が求められそうだ。(BCN・大蔵 大輔)