営業時間外の電話、絶対取らなきゃダメ?専門家に聞いた

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定時となり、帰ろうとした時に取引先からの電話が鳴ると、「どうしてこんな時間に」と文句を言いたくならないだろうか。もしくは定時で業務が終わらず、必死で残業している時に、電話が鳴る。しかも自分ではなくちょっと離れた席で。多くの社会人はそんな時、面倒という思いや忙しいのにという思いを飲み込み、電話をとることが多い。だが、そもそもとして営業時間外なのに、電話対応はしなければならないのだろうか? 気になったのでキャリアカウンセラーの笹木正明さんに話を聞いた。

■問題の根本にあるのは日本の企業文化

笹木さんによれば、営業時間外の電話対応問題の背景には、日本企業に長い間根付いてきた長時間労働の文化があるという。

「営業時間外の電話対応の是非が問題になる背景には、日本企業では今まで長時間労働が当たり前だったという文化があります。夜遅くまで会社に残っている人が営業時間をとっくに過ぎても電話対応をしてきたため、それが普通になってしまったのです。しかし今、安倍内閣で働き方の改革が唱えられています。今後は過大残業や長時間労働が禁止となる傾向が強くなるでしょう。これに伴い、営業時間外の電話対応についても会社の意識改革が必要となってきます」(笹木さん)

つまり、日本企業の多くは長時間労働が当たり前という労働・企業文化が前提となっているため、企業同士が「時間外でも電話に出てくれる」とお互いにイメージし合っているのである。これが問題の根本なのだ。

■「営業時間外の電話」問題は日本企業全体の問題

上記の現実をふまえ、改めて笹木さんに営業時間外の電話に出るべきかどうかの意見を伺った。

「営業時間外の電話に出るべきかどうかはその企業の業種や状況、他部署との関係や納期等によるので答えを一つにはできません。しかし今後は、長時間労働を回避するため、時間外の電話対応はなるべくしなくてもいいようにするべきでしょう。そのためにはまず、日本の企業全体がこのことを強く認識する必要があります。営業時間外の電話対応は相手あってのことであり、一社だけの努力では解決できないことだからです」(笹木さん)

営業時間外は電話に出ないのと同様に、電話をかけないよう企業同士で協力する必要がありそうだ。

■電話の対応は相手の印象を左右する

最後に、現在社内での電話対応でプレッシャーやストレスを感じている人へのアドバイスをいただいた。

「会社での電話対応はストレスとなりやすいのですが、電話の声は人柄や健康状態等を相手に読みとられやすく、相手によい印象も悪い印象も割と容易に与えてしまいます。電話を受け取った時、相手が良い印象を持つとその後商談等がよい方向に行く可能性もあります。大切なことは、どんなときでも平常心を心がけ、傾聴の姿勢を保つことです」(笹木さん)

焦っていたり疲れていたりすれば人間である以上、それが表情や声に少なからず出てしまうもの。だが、そこは社会人としての自覚を持ち、冷静な態度で電話対応に臨みたい。

残業過多・長時間労働は、今回テーマになった営業時間外の電話対応をはじめとする様々な問題で議論を引き起こす。後々取り返しのつかないような重大な問題が発生しないよう、労働環境を整え、改善するという意識が、今の日本社会全体に求められているのかもしれない。

「教えて!goo」では、「営業時間外に鳴る電話、あなたならどうしますか?」ということでみんなの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:笹木 正明
キャリアカウンセラー。大学時代にレスリスバーガーの「人間関係論」を勉強。会社勤務しつつ、40歳から転職相談業務に従事。57歳で退職後、放送大学大学院修士全科生として入学。68歳まで人材紹介会社に勤務。現在は放送大学の学習センターでボランティアの学習相談を務める。

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