米国の市場調査会社IDCが12月5日に公表したウエアラブル機器市場に関するリポートによると、今年7〜9月期におけるこれら機器の世界出荷台数は2300万台だった。

 腕時計型機器、いわゆるスマートウオッチの最大手である米アップルの出荷台数が大幅減となったが、米フィットビットの製品をはじめとするフィットネストラッカーの台数が大きく伸び、ウエアラブル機器全体の出荷台数は1年前から3.1%増加した。

ベーシック型は2桁成長

 IDCは、ウエアラブル機器市場の製品を、スマートウオッチなどの他社開発アプリも利用できる「スマート型」とリストバンド型フィットネストラッカーなど、自社開発アプリのみに対応する比較的安価な「ベーシック型」に分類している。

 今年7〜9月は、前者のベーシック型が2桁成長し、ウエアラブル機器全体の出荷台数に占める比率が85%になった。

 IDCによると、その主な要因は新モデルが数多く市場投入されたことや、利用者層が拡大していることなど。ベーシック型は年末商戦真っただ中の今も好調に推移し、10〜12月期も勢いは衰えないだろうと同社は予測している。

 一方、Apple Watchなどのスマート型は、過去数四半期にわたり低迷が続いており、今後もしばらく苦戦するだとろうと同社は見ている。

 7〜9月のメーカー別出荷台数は、フィットビットが530万台(シェア23.0%)で首位を維持し、これに中国シャオミ(小米科技)の380万台(同16.5%)が次ぎ、そのあと米ガーミンの130万台(同5.7%)、アップルの110万台(同4.9%)、韓国サムスン電子の100万台(同4.5%)と続いた。

Apple Watchは71%減

 このうち出荷台数が1年前から減少したのはアップルのみで、その減少率は71.0%と大きい。またこれら上位5社の中で純粋にスマートウオッチだけを製造、販売しているのもアップルだけだ。

 そのほかのメーカーの出荷台数推移は、フィットビットが1年前から11.0%増加、シャオミが同4.0%増加、ガーミンは同12.2%増加し、サムスンは同89.9%増と大きく台数を増やした。

 今回のリポートに先立ちIDCが公表していたリポートによると、アップルはスマートウオッチ市場で41.3%のシェアを維持しており、この分野で業界トップだ。

 しかしスマートウオッチ市場全体の7〜9月期における世界出荷台数は270万台にとどまり、1年前の約560万台から51.6%減少した。

 IDCの上級リサーチアナリスト、ジテッシュ・ウブラニ氏によると、スマートウオッチはかつて、ウエアラブル市場を牽引していくものと見られていた。しかし実際に今この市場を支配しているのはフィットネストラッカーなどのベーシック型だと同氏は述べている。

 スマートウオッチがこの状況を打開するためには、直感的で継ぎ目のないユーザーインタフェースや、単体でインターネットに接続できる機能、健康やフィットネス関連だけでなく、個人や企業向けの生産性アプリといったものが必要だとIDCは指摘している。

Apple Watch、10〜12月期に巻き返しか

 なおこのIDCのリポートが公表された後、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は英ロイター通信の電子メール取材に応じ、Apple Watchの販売が年末商戦の第1週目に過去最高を記録したと述べた。

 「販売の伸びはとてつもなくすごい。10〜12月期はApple Watchにとって過去最高の四半期になると見込んでいる」と同氏は電子メールで述べたが、同氏から具体的な販売台数についての回答はなかったとロイターは伝えている。 

筆者:小久保 重信