「相棒season15」にして初めて花の里を訪れる角田課長(山西惇)/(C)テレビ朝日

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「暇かっ?」

【写真を見る】取調室でのシーンは写真だけ見てもかなり濃いメンばかり!/(C)テレビ朝日

そう聞かれると、たとえ暇だったとしても暇だとは言いたくないのが僕の悪い癖。

そんな「暇かっ?」のせりふでおなじみの角田課長こと“暇課長”…じゃなくて、山西惇扮(ふん)する暇課長こと角田課長が活躍するのは12月7日(水)放送の「相棒season15」だ。

各局で放送されているドラマやバラエティーなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、Smartザテレビジョン流の「試写室」。今回はその「相棒」第9話を紹介する。

第9話のストーリーは、角田課長の中学時代の同級生で、20年間、行方が分からなくなっていた光田廣(樋渡真司)の他殺体が産業廃棄物処理場で発見される。

遺留品はメモリーカードが抜き取られたデジタルカメラ。角田と同じ写真部だった光田は天文写真が好きで、“テンモン”と呼ばれていた。

卒業後、テンモンは当時の顧問・小林(柴田次郎)の娘と結婚。子供ももうけるが、ある日、家族のもとから姿を消したまま、それきりになっていたらしい。

小林は後ろにピントがずれた写真を撮る癖から“あとぴん”とあだ名をつけられ、生徒から慕われていたが、現在は病床に伏して昏睡(こんすい)状態だった。

角田は、テンモンのことを気に病んだまま、そんなあとぴんのため、テンモンの死の真相を少しでも早く知りたいと、杉下右京(水谷豊)に捜査を依頼してくる。

伊丹(川原和久)らの捜査では、産業廃棄物処理場で働いていたテンモンが現場監督の仁藤景雄(相島一之)から暴力を振るわれていたことが分かる。近隣の住民は、テンモンが仁藤に金を渡すところも見たと言う。

だが、住民の一人は、仁藤よりもテンモンの方が怖かったと漏らす。というのも、不法投棄を防ぐため処理場での作業を写真撮影していた住民に対し、テンモンは誰よりも激高しつかみかかってくることもあったらしい。その様子はまるでカメラを憎んでいるようだったと…。

そんな中、一人蚊帳の外に置かれていた冠城亘(反町隆史)は、テンモンが34年前に撮った火災写真に関する情報を入手してくる。それは、テンモンと仁藤の間にある因縁を明らかにするのだが…というもの。

角田課長に触れる前に…まず「あとぴん」って! そんなあだ名をつけなさんな! この仕事をしていると、俳優・女優の方々を撮影することもあるが、白バックではなく後方に物が置いてあると、それこそ“あとぴん”になってしまうこともあるので、“あとぴん”って連呼されると焦る。

つい先日、後輩が撮ってきた写真のピントが見事に全部ズレていて注意したこともあったなあ。後にも先にもあんなにあとぴんな写真は見たことがない…。って、そんな話じゃないですね。

毎朝「ひまかップ」で目覚めのコーヒーを飲むくらい、角田課長を敬愛してやまない私も記憶になかったが、角田課長が「花の里」に来店するのは今回が初めてだそう。

そのことを知った上で映像を見たのだが、ところがどっこい驚くほど違和感がない。それこそこれまでのシリーズでも普通に常連だったんじゃ?と思うほど、自然な立ち居振る舞いだったので、実を言うと1回目に見たときはそのシーンを何の感情もないままスルーしてしまった。

慌ててもう一度見直して、それでもやっぱり違和感はなかったものの、これまでコーヒーをもらいに来るか、暴力団関連の情報を右京&歴代の相棒たちに伝えるだけだった角田課長が、警視庁を出て右京と共に花の里で一杯やっているなんて…。これはうれし過ぎる。

そんな角田課長のルーツが明らかになる…というと大げさかもしれないが、いつもは組織犯罪対策というイカツイ仕事をしているあの角田課長の意外な一面を見られるので、年内最後の放送となる今回の「相棒」は、暇な人も暇じゃない人にも見てほしい。ちなみに、個人的には右京のことを「警部殿」と呼ぶところが好きだ。

その他、取調室での伊丹刑事による安定のナナメ45度からの眼光鋭いにらみに、「エッチ!」とセクシーな女性に詰め寄られてうろたえる姿や、角田課長with写真部メンバーたちが本職にしか見えないビジュアル&雰囲気をかもし出しているところも良かった。

みんな地方の写真館にいそうだし、どことなく回想の中学生に面影があったのもキャスティングの妙だった。われらが角田課長の中学時代は、若干イケメン感が…いや、今もですね。

それから“バイプレーヤーオブザイヤー”があったら、大賞とは言わないまでも毎年上位にランクインしていそうな相島一之のキャラクターもちょっとコワモテな感じでいい。

それにしても「相棒」というのは、毎話違う脚本家&演出家が物語を作っていても、安定したクオリティーを保ち続けられるのがすごい。むしろ同じ脚本家が作らないからこそ、毎回ちょっとずつ違った色が出ていて、いわゆる“定番のパターン”を作らないから長年マンネリにならず見られるのかもしれない。

視聴者の期待をいい意味で裏切るという“ピント”さえズレなければ、これからも相棒ワールドは広がり続けそうだ。