ベルトルッチ監督の3年前の
発言が物議を呼んでいる 写真提供:アマナイメージズ

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 イタリアを代表する巨匠ベルナルド・ベルトルッチの問題作「ラストタンゴ・イン・パリ」(1974)をめぐり、ハリウッド俳優たちから非難の声が上がっている。過激な性描写でセンセーションを巻き起こした同作の強姦シーンが、当時19歳だった仏女優、故マリア・シュナイダーさんの合意に基づいていなかったことをベルトルッチ監督が認めたためだ。

 米ELLE誌が、2013年に仏パリのシネマテーク・フランセーズ開催されたイベントでの動画を取り上げたことが騒動の発端。この動画でベルトルッチ監督は、主演の故マーロン・ブランドさん(当時48歳)とともに、強姦シーンの詳細を事前にシュナイダーさんへ知らせなかったことを肯定。「女優としてではなく、ひとりの少女としてのリアクションが欲しかった」と弁明し、「何をするのか伝えなかったという意味で、マリアにはひどいことをしたと思っている」が、「後悔はしていない」と語っていた。

 3年前の発言が発掘された形だが、ELLE誌の記事を見た女優ジェシカ・チャステインは、「この映画を愛するすべての人へ。あなたが見ているのは、48歳の男にレイプされている19歳の少女です。監督は計画的に彼女を襲ったのです。吐き気がするわ」とツイート。この意見に女優エバン・レイチェル・ウッドも賛同し、「言語道断で、胸が痛む。これがまかり通ると思うなんて2人とも異常だわ」と非難した。

 その他、俳優クリス・エバンスは、「ベルトルッチやブランド、この映画に対して、2度と同じ見方はできない。不愉快の域を通り越している」と激怒。女性の権利を常々訴えているエバ・デュバーネイ監督も、「映画監督として、まったくもって理解できない。ひとりの女性として、ゾッとするし、不快だし、激しい怒りを感じる」と糾弾した。米バラエティによれば、ベルトルッチ監督に授与された賞の剥奪や、起訴を求める声も上がっているようだ。

 シュナイダーさんは同作で一躍有名になるが、その後作品に恵まれることはなかった。薬物依存や精神疾患を抱え、11年に58歳の若さで死去。07年の英デイリー・メール紙のインタビューでは、問題のシーンについて「屈辱だったし、正直に言うと、マーロンとベルトルッチに性的暴行を受けた気分だった」と告白。「あのシーンの後、マーロンから慰めや謝罪はなかった。1テイクだけですんだのは、不幸中の幸いだった」と語っていた。