12月2日、中国のアニメ映画ファン待望の新海誠監督の最新アニメ作品「君の名は。」がついに中国で公開された。

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先週金曜日(12月2日)、中国のアニメ映画ファン待望の新海誠監督の最新アニメ作品「君の名は。」がついに中国で公開された。前売りチケットの売れ行きが好調だった同作は、4日午後8時の時点で興行収入は2億8千万元(1元は約16.5円)を突破した。日本国内での爆発的ヒットが必ず中国にも波及するというわけではないが、現在も好評が続いていることを考えると、中国で公開された日本映画の収入記録を突破する見込みが高い。新海誠監督のコメントは、「私が伝えたかったのは、少年少女が出会う前のストーリー」という極めてシンプルなものだった。新聞晨報が伝えた。

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○中国で公開された日本映画の記録更新なるか
「君の名は。」は今年8月26日に日本で公開され、興行収入は累計で195億円に達し、日本映画史上第6位、邦画興行収入トップ3に躍り出た。トップ3とは、アニメの巨匠・宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」と「ハウルの動く城」、そしてこの「君の名は。」だ。「君の名は。」は、195億円の「ハウルの動く城」に迫ってきており、これを追い越して第2位につけるのも時間の問題とみられる。

同作の中国での公開が決まると、前売りチケットが凄まじい勢いで売れたことが、この「人気作」の強大な吸引力を見せつけた。公開前日の時点で、初日の前売りチケット販売総額は3千万元を突破し、「STAND BY ME ドラえもん」の公開初日売上(2711万6千元)の記録を塗り替えた。

先週金曜日の公開後、「君の名は。」は、皆の予想を裏切ることなく、再び「興行収入マシン」としての威力を見せつけた。公式情報によると、公開初日終日および週末の予約チケットの売上はすでに1億元を突破し、同作は2Dアニメで興行収入が最速で1億元を超えた作品となった。初日に続く週末2日間も全国の上映館数(比率)は35%と安定していた。4日午後8時の時点で、興行収入は2億8千万元に上った。

○「楽しい作品を作る」
ほとんどのネットユーザーから好評を博している同作品だが、その鍵を握るのは、「人を感動させる純愛」「完璧なディテール」「少女心満載」といった点だ。多くの人々が、「以前は、風景や自然描写の美しさを表現することで有名だった新海監督が、この作品では、複雑なストーリーを余すことなく表現している」と評価している。

「ストーリーは語れない」とこれまで批判されていた新海監督は、「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」など数多くのアニメ作品を手掛けており、「少年少女の恋愛」が各作品の主なテーマだった。男子高生と女子高生が夢の中で出会うことからストーリーが展開する今回の新作は、題材的には過去の作品と似通っている。しかし、新海監督は、「私たちの人生には、出会うべき相手は必ずいる。明日、あるいは明後日、あるいは1年後に出会う人が、自分の人生において非常に重要な人である可能性がある。そのことを理解して初めて、2人の本当の関係が始まることを、この作品を通じて伝えたかった」としている。

男性主人公と女性主人公の魂が入れ替わるという設定によって、新海監督は、少年と少女の距離を表現しようとした。「実は、2人の間の距離はゼロになっていた。このゼロ距離は、同時に、限りなく遠い距離でもある。というのも、2人は実際に会ったことがないため、2人がお互いに融合状態に入った時点でだんだんとお互いが独立する状態に入り、各自が大人という完成形になるまで成長していく」と新海監督は述べた。

過去の新海作品の多くは、開放的あるいは悲劇の結末を迎えている。主人公は、離れ離れになる、もしくは行き違いになってしまい、最終的に結びつくことはない。だが、「君の名は。」の結末は、意外にもハッピーエンドだ。これについて、新海監督は、「確かに、過去の作品の多くは、初恋が実らないというストーリーだった。これは、人生において初恋も夢も良いことだが、実際には失敗の方が成功よりはるかに多く、成功を手中に収める人は極めて少ないからだ。たとえば、『秒速5センチメートル』では、たとえ夢を実現できなくとも、初恋を実らせることができなくとも、我々は強く生きて行かなければならない、ということを表現したかった」と語った。

新海作品のコンセプトが変わるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だった。その時受けた心の傷によって、日本人は、快楽や幸福を得られる何かをより強く求めるようになった。このため、新海監督のなかに、「過酷な現実の中にいるからこそ楽しい作品を作ろう」という想いが生まれた。新海監督は、「『君の名は。』では、たとえ手に入れるのが難しそうなものでも、限りなくそれを追い求め、手に入れるまで進み続けなければならないことを表現したかった」と話した。(提供/人民網日本語版・編集KM)