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東京大学(東大)などは12月6日、培養細胞で高い増殖能をもつB型インフルエンザウイルスの作出に成功したと発表した。

同成果は、東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野 河岡義裕教授らの研究グループによるもので、12月5日付の米国科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」オンライン速報版に掲載された。

季節性インフルエンザワクチンは現在、発育鶏卵で増やしたウイルスから製造されているが、その増殖過程でウイルスの主要抗原であるヘマグルチニン(HA)に変異が入ると、ワクチンの有効性が大きく低下することが知られている。この問題は、抗原変異が起きにくい培養細胞を用いてワクチンを製造することで回避可能だが、培養細胞における季節性インフルエンザウイルスの増殖能の低さが大きな課題となっていた。

今回、同研究グループは、これまでに開発していた「リバースジェネティクス法」を用いて、多様なB型インフルエンザウイルス株からなる変異体集団(変異ウイルスライブラリ)を人工的に作出。その変異ウイルスライブラリから培養細胞で高い増殖能を持つB型インフルエンザウイルス株を選別した。

次に、このB型インフルエンザウイルス高増殖株を母体に、野外で流行しているウイルスの主要抗原を入れたウイルス株を作製し、その増殖能を解析した。その結果、このウイルス株は、細胞培養ワクチンの製造でよく利用されている培養細胞において効率よく増殖することが明らかになった。

同研究グループは、これまでにA型インフルエンザウイルス高増殖株も開発しており、今回のB型インフルエンザウイルス高増殖株とともにワクチン製造に利用することで、今後、季節性インフルエンザワクチンを効率よく生産することが可能になると説明している。

(周藤瞳美)