米国の市場調査会社IDCがこのほど公表したパソコン市場に関するリポートによると、今年(2016年)の世界出荷台数は2億5820万台となり、昨年の実績から6.4%減少する見通し。

減少率は徐々に縮小する見通し

 IDCは8月に公表したリポートで、今年の年間出荷台数が昨年から7.2%減少するとの予測を出していたが、今回のリポートでこれを上方修正した。

 その後、7〜9月期の出荷台数が1年前から4.6%減少したというデータが出たが、これは同社の事前予測から2ポイント以上改善した数値。これが今回の上方修正の理由の1つだという。

 同社によると、7〜9月期は「Windows 10」搭載機への移行が一定の役割を果たしたが、米国、西欧、日本の市場で勢いが増したことが市場改善に大きく寄与したという。

 世界のパソコン出荷台数は、2014年に前年比で2.1%減少し、昨年は同10.6%落ち込んだ。そして今年は前述のとおり6.4%減。これが来年は同2.1%減にとどまるとIDCは予測している。

法人向けが回復の兆し

 そのカギを握るのが法人向けパソコンとのことだ。今後市場は法人向けパソコンの緩やかな成長とともに安定化に向かうと同社は予測している。

 同社によると、法人向けノートパソコンの出荷台数は2019年に前年比3.7%増となるなど、2020年までの予測期間全体を通して伸びていくという。また法人向けデスクトップパソコンは2018年に横ばいに回復する見通しとのことだ。

 これに対し消費者向けノートパソコンとデスクトップパソコンはいずれも2020年までの予測期間に若干減少すると同社は見ている。

 もう1つ興味深いのは、パソコン市場はスマートフォンやタブレット端末といったほかの機器の影響をあまり受けなくなってきたことだという。

 IDCは、「スマートフォンやタブレット端末の市場はいずれも成熟期に近づいており、これらの機器との競争による影響は小さくなりつつある」と報告している。

スマホ、ついに横ばいに

 同社が先頃公表したスマートフォン市場に関するリポートによると、今年のスマートフォン世界出荷台数は14億5000万台となり、昨年実績から0.6%増と、ほぼ横ばいにとどまる見通し。

 スマートフォンの出荷台数は2012年に前年比で47%伸び、2015年は同10.4%伸びたが、今年はその成長がほぼ止まるとの予測だ。

 この話題について報じている米ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、スマートフォンの出荷台数は、中国の一部地域やインド、インドネシアなどの新興市場で伸びている。しかし米国などの成熟国市場の低迷が、世界市場全体の成長を減速させている。

 米国の通信事業者は、かつてのように端末代金を大幅値引きして販売することがなくなった。これにより消費者は、頻繁に端末を買い替えることにメリットを見いだせなくなった。

 結果として米国ではスマートフォンの買い替え周期が長期化しているとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。 

筆者:小久保 重信