米ブルームバーグの報道によると、米アマゾン・ドットコムは現在、タッチスクリーン備えた音声アシスタント端末を開発しているという。

ディスプレーや高級スピーカー搭載

 その製品は同社が米国や英国などで販売している「Amazon Echo」の高級版という位置付けで、7インチのディスプレーを備える。これにより利用者は、天気予報、カレンダーに入力した予定、ニュースなどへのアクセスが容易になるという。

 アマゾンは2014年11月から米国でEchoを販売しており、その後、姉妹製品の「Amazon Tap」と「Echo Dot」も市場投入した。

 これらの米国のおける価格はそれぞれ179.99ドル、129.99ドル、49.99ドルだが、開発中の端末の価格はこれらより高くなる見通し。

 新端末は、上述のEchoシリーズと同じく、アマゾンの音声アシスタントサービス「Alexa」を利用できる。ただ、これまでの製品は内蔵スピーカーを通じて応答するという仕組みで、ユーザーインタフェースは音声のみだった。

 これに対し、新端末はディスプレーが加わり、タッチ操作も可能になるということのようだ。

 さらに、本体には高級スピーカーを内蔵しており、すべての音量レベルで高品質なオーディオを再生できると、事情に詳しい関係者は話している。

 このほか、本体サイズは従来モデルより大きくなり、画面の角度を傾けて見やすい位置に調整できる。また従来製品は、居間や寝室に置いて利用してもらうことを想定していたが、新端末はキッチンに置いてもらうことを狙っているとブルームバーグは伝えている。

 そしてアマゾンはこの新端末を来年1〜3月にも発表する予定だと、情報筋の1人は話している。

スマートホーム機器は苦戦中

 今回の報道に先立つ今年5月、米ウォールストリート・ジャーナルは、アマゾンがディスプレーを備えるアシスタント端末を開発していると伝えていた。

 アマゾンには米シリコンバレーにハードウエアの研究開発拠点「Lab126」があるが、ここで「Knight(ナイト)」というコードネームで新端末を開発しているというのが、報道の内容だった。

 そしてウォールストリート・ジャーナルは、この分野では米グーグルや、米アップル、米マイクロソフトもそれぞれ人工知能(AI)を使ったパーソナルアシスタントを開発しており、今後競争が激化すると伝えていた。

 このうちグーグルは11月にEcho対抗のスピーカー型端末「Google Home」を発売。アップルも音声アシスタントの専用ハードウエアに興味を示していると伝えられている。

 ただ、今回のブルームバーグの報道によると、これら音声アシスタント端末を含む、いわゆるスマートホーム機器は、まだスマートフォンやパソコンのような人気を得ておらず、開発企業の各社は苦戦中という。

思わぬヒットに驚きの声

 そうした中、アマゾンのEchoシリーズは、思わぬヒット商品となり、業界関係者を驚かせたと言われている。

 アマゾンはEchoの販売台数を公表していないが、米国の調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partners)が先週公表したリポート(PDF書類)によると、Echoは2014年の販売開始以来、米国で510万台が売れたという。

 そのうち200万台は今年9月までの9カ月間で売れており、利用者は引き続き急速に伸びている。

 さらにアマゾンの顧客のEchoに対する認知度は、発売後最初の四半期が終わった2015年3月末時点の20%から、今年9月末には69%へと、劇的に伸びたとCIRPは報告している。

筆者:小久保 重信