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富士通研究所(富士通研)は12月5日、グラフェンを利用した新原理の高感度ガスセンサの開発に成功したと発表した。

同センサは、通常のシリコントランジスタのゲート部分を原子1層分の厚みのグラフェンで置き換えた構造で、ガス分子がグラフェンに吸着すると、グラフェンの仕事関数が変化し、その結果シリコントランジスタのスイッチング特性が大きく変化する原理を利用してガスを検出するという仕組みになっている。ガス分子がグラフェンから離れるともとの状態に戻る。

感度は、窒素中におけるアンモニア(NH3)については数十ppb程度、二酸化窒素(NO2)については1ppb以下を実現。特にNO2に対する感度は、従来のグラフェンを用いた抵抗変化型センサや市販の数十ppbの感度を持つ電気化学式センサと比較して、10倍以上であることがわかっている。また、大気成分の分析や呼気分析などを想定したガスのなかでは、NO2、NH3にのみ反応し、特定のガスだけを検出できることも確認されているという。

検知部分は数百μmと小型だが、同社によると、さらなる小型化が可能。また従来技術より感度が高く、熱を加えるなどして吸着したガスが離れるともとの状態に戻るという特徴を持っているため、大気汚染の指標として40から60ppbという環境基準があるNO2について、場所を選ばず、リアルタイムで高感度に測定する小型装置の実現が期待される。

同研究所では今後、実環境中での特性検証や耐久性調査などを行い、環境センサとしての実用化を目指していくとしている。さらに、グラフェンとほかの分子などを組み合わせることにより、NO2、NH3以外のガスの検知も検討していくという。

(周藤瞳美)