羅宇氏は「法輪功迫害という人道に反する罪を江沢民に償わせないまま、習主席が独自路線を貫くことはできない」と明言している(写真 大紀元)

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 中国共産党の紅二代で、現在は米国在住の羅宇氏が習近平国家主席に対し再度の呼びかけを発し、江沢民の罪状追及を求めた。同氏は「法輪功迫害という人道に反する罪を江沢民に償わせないまま、習主席が独自路線を貫くことはできない」と明言している。羅氏は以前にも、江沢民を起訴し、江に法の裁きを下すことを全面的に支持すると発言している。

 羅氏は、昨年12月に海外の中国語メディアに『与習近平老弟商権(義弟・習近平君と協議したい)』と題する公開状を発表し、共産党による独裁政権を終わらせるよう習近平国家主席に訴えた。その後も同じタイトルの公開状を発表し習氏に呼び掛け続けている。今回はその第13弾である。

いまだ深刻な共産党内の腐敗

 今回の文章には、「六中全会(中国共産党第十八回中央委員会第六回全体会議)の公報に官僚の資産公開義務が盛り込まれることもなく、腐敗勢力が未だ大きな力を持っていることが示されている。海外ではごく一般的な最低限度の情報開示さえ、中国共産党では実施できない。共産党政権の腐敗がどれほど深刻であるかが如実に表れている。党総書記という立場にある習主席は今、巨大な汚職政党(との戦い)に直面している」とある。

 羅氏は、天安門事件に関与する臂平への責任追及と、法輪功弾圧政策に関与する江沢民への責任追及は決して避けて通ることはできないと主張している。そうしなければ、習主席自身も活路を見出すことができないからだ。

 羅氏はさらに、民主化の推進、言論自由の承認、一党独裁政治の廃止、司法の独立、民意による役人の選抜、軍の国有化などを段階的に確実に進める決意を固めるよう習主席に対し呼びかけた。

 今年6月に米国下院で、中国当局による法輪功学習者や良心の囚人からの臓器収奪に対する非難声明が全会一致で可決されたことについて、羅氏は中国共産党のトップ、総書記の座にある習主席は、こうした忌むべき犯罪行為がこれからも中国で行われることを容認してはならないとの見方を示している。

 法輪功学習者が続々と江沢民の告訴状を裁判所に提出していることについて、同氏は新唐人テレビの取材を受けた際に、彼らを全面的に支持すると表明している。さらに学習者らが「真・善・忍」を信仰することに何の間違いもないとする一方で、江沢民の法輪功弾圧政策が憲法に違反していると指摘した。

 一連の法輪功弾圧政策の中でも、羅氏は生きている人間から強制的に臓器を摘出することについて特に言及しており、臓器狩りは人道に反する罪であると指摘している。

 同氏はさらに、習主席が立憲国家を樹立し(訳注1)、江沢民の罪状について立件調査を進め、法に従い処罰することを全ての中国国民が望んでいると記している。また江沢民の影響力は習政権によりすでに封じ込められており、習陣営は、法輪功弾圧政策に関連する江沢民の罪状や汚職の証拠を大量につかんでいるはずだと分析している。

 また同氏は、既に失脚した王立軍が責任者を務めていた臓器移植技術を研究するための人体実験施設「現場心理研究センター」(訳注2)と、大連にある薄熙来が主導した死体加工工場について、習政権は独立した司法機関を設立し、これらの調査を進めるべきだと提起している。(訳注3)

民主化への5つのステップ

 

 習主席に向けて発した一連の公開状の中で、羅氏はこれまでいくども民主化路線に舵を切り、5つのステップを踏んで中国共産党を解体し、一党独裁政権を解消するよう呼びかけている。

 「1つ目はまず、報道の自由を認めること。メディアに報道の自由がなければ、官僚を監視し、汚職の抑止力としての役割を果たすことはできない。

 2つ目は一党独裁政治の廃止。党内、党外を問わず政権に対する批判を可能にし、与党勢力に対する監視制度を構築するとともに、汚職を抑制する。

 3つ目に、司法の独立を果たす。中国に憲法は存在するが、立憲政治は行われていない(訳注1)。文化大革命や天安門事件、法輪功弾圧などはいずれも、中国共産党政権が憲法に違反しても司法がそれを正すすべがないために起きたものだ。

 4番目に普通選挙を実施する。最後に軍を国有化する(訳注4)。そうして軍部が政治闘争に巻き込まれないようにしなければならない」

 

 訳注1) 一党独裁政権の中国では、党の政策方針が憲法や法律よりも優先されるため、いかなる場合であっても党の決定が絶対優先されるということである。習近平氏は大勢の党・政府高官(必ず党内高官である)を逮捕、失脚させているが、その根拠はいずれも国の法律や憲法に違反したからというより、まず党の紀律に違反したという理由で党内の紀律委員会によって調査、断罪、処分を行ってから、司法部門に移送して形式的な法の裁きを受けることになる。立憲国家は、法律や憲法が絶対優先であり、共産党という一政党も法律や憲法の管理下で活動するような国家体制をさす。

 訳注2) 王立軍は警察出身の高級官僚で、医療については専門外だが、公安局の「現場心理研究センター」で臓器移植の人体実験を重ね、250以上の特許を獲得した。その成果を表彰する式場の受賞スピーチで、「我々の成果は何千という現場の(実験)の結晶である」と明言しており、少なくとも数千人の法輪功学習者が、生きたまま臓器を摘出されたとみられている。

 訳注3) 王立軍を始め、これまで多くの高官が汚職の罪に問われ逮捕されてきたが、実はこれまでに失脚した高官は、ほぼ全員が積極的に法輪功迫害に関わっていた。このことから、習主席は(正確には国家主席という立場ではなく党総書記という立場において、党の紀律を用いているのだが)、汚職を行ったという建前で、法輪功迫害政策の積極的に推進した幹部を意図的に失脚させてきたと見られている。羅宇氏は、習主席のこうした措置に対し、汚職などよりも法輪功迫害政策や天安門事件といった、より大きな犯罪行為によって彼らを立件し、全てを白日の下にさらすべきだと以前から主張している。

 訳注4) 中国の軍隊は国軍ではなく、中国共産党の軍隊である。そのため、党内の政治闘争にしばしば軍が関与する。 

(翻訳編集・島津彰浩)