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Airbnbと奈良県吉野郡吉野町は12月6日、世界初のコミュニティハウスとなる「吉野杉の家」のオープンを発表。同施設は、2017年1月18日からAirbnbを通じて宿泊の予約が行えるようになる。

5日に行われた式典では、Airbnbを代表して同社のソーシャルイノベーション事業統括責任者であるキャメロン・シンクレア氏から、ホストコミュニティとなる吉野町の北岡篤町長およびホストコミュニティチームに「吉野杉の家」の鍵が手渡された。

「吉野杉の家」は、Airbnbがさまざまなイノベーションを起こすプロジェクトを起案・遂行するための専門デザインスタジオとして社内に新たに立ち上げた「Samara(サマラ)」が、地域活性化の取組みとして初めて企画をし、吉野町とともに作り上げた建物。2階建てのこの家は、吉野川沿いの立地に馴染むようデザインされており、1階に広がる開放的なリビングは地元の人たちの集まりにも活用できるよう考えられている。階段を上がると無駄なものを一切省いたロフトのような落ち着いたベッドルームがあり、ゲストや国内外からの訪問者が最大7人まで宿泊できる。

このプロジェクトは、高齢化や都市化の拡大によって急速に過疎化が進み、伝統や経済的な安定が瞬く間に失われていく日本の地方の現状に対処するための取り組みのひとつ。杉材をふんだんに用いた「吉野杉の家」は、建築家・長谷川豪氏の設計によるもので、2016年夏に東京で開催された「HOUSE VISION」で披露された。

長谷川氏は建設に際して、コンセプト設計から最終的な建築まで、全ての段階で地元の技と人を確実に取り込むことにこだわった。この地域ならではの家づくりの手法を生かし、代々森を守ってきた人たちや製材業者、地元の大工など吉野で林業に携わる全ての人を巻き込んで完成された「吉野杉の家」には、この地域に伝わる伝統の素晴らしさや、地元の人たちが受け継いできた伝統文化が表現されている。

Airbnbを通じて宿泊予約が行われると、毎回の収益は直接、地域コミュニティや文化的な遺産を守るための資金として寄与される。ゲストが宿泊する毎に97%が吉野町のホストコミュニティの元にわたり、その後、コミュニティ投資基金を介して地域へともたらされる仕組みになっている。

5日の引き渡し式において、北岡町長はこのユニークなコミュニティハウスをきっかけに世界中からゲストが吉野町を訪れ、この町や吉野杉の魅力を知ってもらえるようになるものと、大きな期待感を表明した。

また、式典に出席したAirbnbのキャメロン・シンクレア氏は、「地元コミュニティのみなさん、自治体関係者、吉野町の職人のみなさんが一体となって進めてくださったこのプロジェクトの一員として加わることができたことを、Airbnbの社員一同、この上なく光栄に思います。吉野町のように、地方には素晴らしい文化を持った町が無数に散らばっており、Airbnbではそうした地域に継続的に観光客が訪れ、活気を取り戻して成長の可能性を生み出せるよう、今後も引き続き新たな道を探っていく所存です」とコメントしている。