ラクトフェリン入りヨーグルトがノロウイルスの予防に?

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ノロウイルスが10年ぶりの勢いで猛威をふるっているが、最近、ヨーグルトやサプリメントに配合されることが多くなった健康成分「ラクトフェリン」が、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎を防ぐ効果があることが、信州大学と森永乳業の合同チームの研究で明らかになった。

研究成果は2016年10月30日、日本ラクトフェリン学会で発表され、同学会賞・冨田賞を受賞した。

ママの「初乳」で赤ちゃんを守るラクトフェリン

同学会のウェブサイトによると、ラクトフェリンは母乳などに含まれる糖タンパク質だ。特に出産直後に分泌される「初乳」に最も多く含まれている。生後まもない免疫力が弱い赤ちゃんを細菌やウイルスの攻撃から守る働きがあると考えられている。ラクトフェリンは鉄と化合し、赤い色をしている。「ラクト」=乳、「フェリン」=鉄が名前の由来だ。鉄の力を借りて、強い抗酸化力を発揮するといわれる。

母乳以外にも唾液や涙、鼻汁などの体液にも多く存在する。これは、目・鼻・口などの病原菌の入口で、病気をガードする抗菌作用を担っているからだ。搾りたての牛乳にも多く含まれるが、精製化の殺菌過程で大半が壊れ、市販牛乳では10分の1程度に濃度が減ってしまう。

森永乳業の発表資料によると、研究チームは、感染性胃腸炎が流行しやすい冬季の2015年12月〜16年3月の12週間、園児と接する機会が多い保育園と幼稚園職員346人を対象に、次の3つのグループに分け、ラクトフェリンの摂取と感染性胃腸炎の発症リスクの関係を調べた。

(1)ラクトフェリン200ミリグラムを配合した食品を毎日食べる。
(2)ラクトフェリン600ミリグラムを配合した食品を毎日食べる。
(3)プラセボ(偽薬)を配合した食品を毎日食べる。

その結果、感染性胃腸炎を発症した割合は、プラセボの人が22.6%だったのに比べ、ラクトフェリンを200ミリグラムずつ摂(と)った人は12.1%、600ミリグラムずつ摂った人は11.6%と、ともに半分以下だった。また、ラクトフェリンを摂っていると、たとえ感染性胃腸炎を発症しても下痢に苦しむ期間が短くなることがわかった。

牛乳アレルギーの人は注意したい

ラクトフェリンは、低殺菌の牛乳やヤギ乳、ナチュラルチーズなどに多く含まれている。最近は、免疫力を高める効果が期待できるとして、合成したラクトフェリンを配合したヨーグルト、スキムミルク、粉ミルク、チーズなどの乳製品やサプリメントが増えている。ただし、牛乳由来の成分なので、牛乳アレルギーのある人は注意したほうがいい。