以前、「日本の企業は、一番いいものを自国で売り、2番目にいいものを欧米で売り、最も悪いものを中国で売る」といった類の言論が中国のネット上で出回った。また、中国製品でも同じようなことがしばしば言われる。もし、そのような状況が本当にあるなら、一体誰が悪いのだろうか。(イメージ写真提供:(C)赵 建康/123RF)

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 以前、「日本の企業は、一番いいものを自国で売り、2番目にいいものを欧米で売り、最も悪いものを中国で売る」といった類の言論が中国のネット上で出回った。また、中国製品でも同じようなことがしばしば言われる。もし、そのような状況が本当にあるなら、一体誰が悪いのだろうか。

 中国メディア・今日頭条は5日、「中国人はどうして自分たちが生産した良質な製品を購入することができないのだろうか」とする記事を掲載した。記事の作者は、米国に長年在住している中国人で、記事では現代の中国社会が抱えている問題を的確に指摘している。

 記事はまず、ある中国人の知人が近ごろ米国にやって来て、ナイキのシューズを「爆買い」していったと紹介。話を聞くと「ナイキのシューズはみんな中国製なのに、米国では安価で売られているばかりか、中国で売られている同製品よりも質がいい」との答えが返ってきたと説明した。「質が悪いうえに、収入が米国人より低い中国で高く売られているなど理解に苦しむ」として米中両国を頻繁に往復する親戚に実情を訪ねたところ「確かにそうだ」と回答されたと伝えた。

 そのうえで、このような「理解し難い」状況が起きる根本的な問題は、「基準や監督管理、社会的な環境といった原因と切り離せない」と解説。ナイキが米国で品質の良い「中国製品」を売る理由は至極簡単であり、「質が基準に満たないと、販売者が返品するからだ」とした。そして、事が大きくなれば集団訴訟になり、ブランドが立ち行かなくなることだってある」と説明している。

 一方で、中国では品質にバラツキがあっても問題がなく、企業も生きていくことができると説明。また、一体誰が監督管理を行っているのか分からないような状況も考えなければならないとしている。さらに、基準や監督の未熟さに加え、「違法行為のコストが低すぎる、懲罰が軽すぎる」という社会全体を取り巻く大きな環境も、悪質な業者が違法行為を続ける大きな原因となっていることを指摘した。

 文章は「一国の強さというものは、空母や外貨準備高がどれほどあるかで図るものではない。一般市民が安心して快適に暮らせるかどうかで判断するのだ。自ら生産した優れた製品が手に入らないのであれば、われわれはしっかり考えてみなければならないのだ」と締めくくっている。

 外国の高速鉄道建設などインフラ整備プロジェクトを次々と受注して本気で喜ぶ中国国民と、食品や医薬分野において安全性を脅かす問題の発生や、悪徳業者による事件に対して本気で怒りを覚える中国国民では、一体どちらが多いのか。高級ブランド品や電気製品はともかく、国内でも手に入るような日用品や化粧品までもが国外での「爆買い」の対象になってしまう状況というのは、やはり異常という印象を禁じ得ない。しかも、これほどまでに巨大な国力を身に着けた中国で起きているのだから、なおさらである。(編集担当:今関忠馬)(写真は中国・上海の南京路、写真提供:(C)赵 建康/123RF)