北朝鮮で携帯電話事業を行っている、エジプトの通信会社オラスコム・テレコムメディア・アンド・テクノロジー(OTMT)は、金融子会社「オラバンク」が行ってきた、北朝鮮における金融業務の終了を決定した。エジプトの英字紙「デイリー・ニュース・エジプト」が報じた。

同社は4日に発表した声明で、米財務省の外国資産管理室(OFAC)の制裁に基づき、オラバンク平壌支店の閉鎖を決めたことを、エジプト証券取引所に通告したと明らかにした。

事業売却の情報も

これに先立ち先月28日、同社の取締役会は、オラバンクの平壌支店の活動が国連安保理と米財務省の制裁に抵触する可能性が高いと判断し、閉鎖の決定を下している。

オラスコムは、今回の閉鎖に伴い、オラバンクの現金と流動資産を、指定されたオラスコムの子会社に移す予定だと説明している。これは、国連安保理が先月30日に採択した、北朝鮮に対する新たな決議案2321号が適用される初めてのケースとなる。

オラスコムと言えば、北朝鮮で携帯電話事業を行っていることで知られているが、こちらについては事業を継続すると発表している。

同社は2008年、4億ドルを投資し、4年間の条件で北朝鮮の移動通信事業権を獲得、北朝鮮の逓信省と合弁で「コリョリンク」を設立し、北朝鮮で携帯電話事業を行ってきた。

加入者は2012年に100万人、2013年には200万人、2015年末には300万人に達したと言われている。しかし、北朝鮮が2011年に第2の携帯キャリアとして「強盛ネット」を設立し、競争が激化していた。

また、オラスコムが北朝鮮国内で上げた利益は、国外への持ち出しについて北朝鮮当局と折り合わず「塩漬け」の状態が続いている。オラスコムがコリョリンクの売却を進めているとの情報もある。

オラスコムのナギーブ・サウィリス会長は、上述の取締役会の当日に平壌を訪れたが、これについて「同社が北朝鮮で運営している携帯電話会社『コリョリンク』の処遇について、北朝鮮の高級幹部と最終的な意見調整を行なったのではないか」とする見方が出ている。