【今さら聞けない】クルマに付いているスポイラーって何?

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空気抵抗を抑えたりダウンフォースを発生させるもの

スポイラー (spoiler)は直訳すると、スポイルする(害する、損ずる)もの。もともとは航空機の翼に装着された空気を堰き止める邪魔モノ=エアブレーキだった。

70年代のツーリングカーレースのマシンや、シルエットフォーミュラに装着されたフロントスポイラーは、「エアダム」とも呼ばれ、ボディ下面に流れ込もうとする空気を遮り、ボディ側面にかき分けるための空力デバイスとして開発された(ディフューザーがない時代、ボディ下面に入った空気は、抜けが悪いためにその場で圧力が高くなり、リフトフォースを発生する原因となったため)。

エアロダイナミクスが進歩した現代のクルマのスポイラーは、空気の流れを堰き止めるようなものではなく、ボディ先端で発生する空気の渦の押さえ、空気抵抗と揚力を低減する働きをしている。

とくにフロントエンド=バンパー付近は、空気の渦が発生しやすく、放っておくとその渦が成長しやすい。フロントスポイラーは、その渦の成長を抑制し、周囲の空気の流れをスムースにすることを狙っている。

リヤウイングとリヤスポイラーの厳密な区別はない

このフロントスポイラーには、純正バンパーに後付けする比較的コンパクトなタイプのリップスポイラーと、バンパーと一体型となった大きなスポイラーの2種類がある。 リヤのスポイラーは、ルーフ側を流れてきた空気の流速を押さえることで、ダウンフォースを得る仕組み。

リヤの場合、スポイラーもウイングもあまり厳密には区別されていないようだが、一般的にはボディと一体になっているのはスポイラー、支柱(ステー)があって、翼断面形状の羽根が付いているのはウイングと呼ばれている。

また角度調整機能が付いたものは、ウイングと呼ばれることが多い。ちなみに、レーシングカーのウイングの後端に取り付けわれるガーニーフラップも、着脱可能な空気の「壁」として、スポイラーの一種といえるだろう。

(文:藤田竜太)