不倫専門SNS「アシュレイマディソン」、新CEOが偽アカウント疑惑に大反論

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「人生1度、不倫をしましょう」という衝撃的なキャッチコピーで話題になるも、昨年8月、ハッキング被害で3700万人もの個人情報が流出。以降、ほとんど機能せず、事実上の閉鎖に追い込まれていた、不倫専門の出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」。しかし、今年の7月、経営陣とスタッフを一新。外部からCEOを招聘し、カジュアルな出会い系サイトとして再出発を図っているという。果たしてどんなサイトなのか。ハッキング事件の顛末も含め、来日中の新CEOのロブ・セガール氏を直撃した。

◆新CEOはマーケティング戦略の専門家

――まず、なぜCEOを引き受けたのでしょうか?

 1度目のオファーは昨年9月に受けましたが、不安だった。これまでの自分のキャリアの中でもこの会社を立て直すのはとても大きなチャレンジでした。しかし、社員やマネジメントチーム、そしてユーザーの方々との話し合いの機会を通じて、サイトをオープンマインドな方針で立て直すことで合意できたため、今年4月に引き受けました。

――マーケティング戦略の専門家として今後の方針はありますか?

 世界でもっとも大きな出会いのプラットフォームを作っていきたい。もちろん秘密厳守で、もっともユーザーに支持されるプラットフォームです。

◆信頼回復には時間がかかる

――一連のハッキング事件からの信頼回復はどうしていきたいか?

 そこは時間がかかると思っている。また、そこは私たちがあれこれ言葉を使っても意味がなく、行動で示さなければならないと思う。

 これまでの「人生1度、不倫をしましょう」ではなく、「今この瞬間を生きよう」といったオープンなメッセージのサイトにした。現在、全世界でおよそ5000万人の会員がいるが、ハッキング事件以前は3600万人だった。会員数は30%以上増加している。新しいサイトのオープンマインドな方針は、ある程度、受け入れられたと思っている。

――社内改革はどのように進めるつもりか?

 CEOに就任したとき、スタッフ全員の評価を見直し、シニアマネージャー級でも退職をお願いしたりした。新しい会社の方針についてきちんと社内のコンセンサスを得る必要があった。セキュリティ部門などを含めた大幅な組織改変を行い、チーフセキュリティオフィサーにも新たな人物を迎えた。

 会社のカルチャー自体は大きく変わったと思う。福利厚生やストックオプション制度をより豊かなものにして、スタッフが威厳を持って仕事できるようにした。

◆偽アカウント騒動には反論したい

――女性ユーザーが偽物という報道もあるが。

 そこに対してはすごく反論したい。私が就任する前にすべてそういう作業は停止したと聞いている。もう2度としないとも。そして、これは出会い系サイト全般の問題であり、私たちの以外の出会い系サイトにも同じことはしてほしくないと思っている。

 私が就任する前から外部機関に依頼し、何千万人といるユーザーについて、人数や偽のアカウントが発生していないかを監査してもらっている。また、こちらでもなるべく把握するよう努めている。

――再度、会員の個人情報が流出することはないか?

 セキュリティに新たに100万ドル(1億3000万円)ほどの投資をかけ、最先端セキュリティ会社のデロイトに投資して、秘密厳守で、安全なセキュリティを構築している。国際的なクレジットカード情報のセキュリティ基準「PCI」でも、オンライン出会い系サイトのなかではもっとも高い評価を得ている。

◆日本の女性ユーザーは積極的

――日本におけるポジションは?

 日本の会員は現在、65万人いる。そのうち25%が東京都の在住だ。ハッキング以降でユーザー数はおよそ34%上がっていて、特に女性のユーザーが20%増えている。男女比は会員全体では5対1だが、アクティブユーザーでは1対1になっている。

 日本は世界的に見ても、オープンマインドな性格の人が多く、ユニークな体験をしたがっている。登録データから見た傾向としては「誰かいろんな人が知り合いたい」「キスや抱きしめることに興味がある」といった人が多く、19%が「なんでもワクワクすることは受け入れる」、14%が「短期間の人間関係を築きたい」とプロフィールに書いている。

 日本の女性が積極的であるというのはさまざまなデータにも出ている。やり取りがパブリックに出ているものではなく、またフェイスブックと関連づける必要もないためではないか。今後も「アシュレイ・マディソン」が事業の柱であることに変わりはない。長期的で全面的な変革でブランド価値の回復に努めていきたい。

<取材・文/HBO取材班 撮影/山田耕司(本誌)>