いよいよ本日12月4日、「M-1グランプリ2016」(18:30〜、テレビ朝日系列)が開催される。M-1は、2001年から2010年まで毎年開催されたのち、5年のブランクを経て昨年復活。第11代チャンピオンに選ばれたトレンディエンジェルはこの1年、見ない日はないほどの活躍ぶりだった。

今年も決勝進出者8組に加え、敗者復活戦で勝ち上がった1組の計9組が王者の座を争う。決勝の顔ぶれから優勝を予想するとき、やはり気になるのは敗者復活で誰が選ばれるか。昨年のトレンディエンジェルも敗者復活からの優勝を遂げているだけに、その注目度はより高まっているといえるだろう。今回、敗者復活戦に挑むのは18組(アルコ&ピース、南海キャンディーズは準決勝に進出したものの、別の仕事のため敗者復活戦を辞退)。本日14時30分からの生放送で漫才を披露し、視聴者投票によって1組が決まる。

決勝進出者は、準決勝でもっとも面白い漫才をした上位8組が選ばれたに他ならず、審査の段階でたとえば「男女コンビは二組いらない」といった考えは入っていないだろう(と思いたい)。しかし、今回はあえていくつかの「枠」を想定し、決勝進出者と、彼らと競合するであろう敗者復活戦に挑むコンビを数組ピックアップし、決勝のゆくえを占いたい。


男女コンビ枠、相席スタートに挑む最有力候補メイプル超合金


まずは男女コンビ枠。
今回、準決勝には4組の男女コンビが残った。その中から決勝へと駒を進めたのはただ1組、相席スタートだった。山崎ケイの見た目といい女キャラとのギャップ、山崎と山添寛との男女コンビならではのやりとりで2013年の結成直後からめきめきと頭角を現し、初の決勝に。
それを追う形になるのはメイプル超合金とゆにばーす。

メイプル超合金は昨年の決勝で大きな爪痕を残し、たった1年で敗者復活戦に挑む18組のなかでも屈指の知名度を誇る存在になった。敗者復活コンビが視聴者投票によって選ばれるとなれば、知名度は大きなアドバンテージだ。三四郎やニューヨークも、ライブなどで敗者復活戦におけるライバルとしてメイプルの名前を挙げている。
となればもうひと組の男女コンビ、ゆにばーすも黙っているわけにはいかないだろう。ビジュアルもキャラクターもインパクトあるはらちゃんと、芸人界でも屈指の「死ぬほどお笑いのこと考えてる」芸人の川瀬名人からなるコンビ。彼らが敗者復活でどんな漫才を見せるのか、楽しみだ。

決勝に行っては討ち死に枠もといコントも達者枠、漫才で栄冠を


キングオブコント(以下、KOC)で、何度も決勝に行っては惜しくも討ち死にしてきたさらば青春の光。2012年から4年連続で決勝進出は、他に並ぶ者のない記録だ。しかし優勝をつかむことはできないまま、今年のKOCではまさかの二回戦敗退。その痛みを力に変えて、M-1で初の決勝進出を果たした。

いいところまで行っては負けるたび、森田の愚痴を楽しみにする観客も増えつつあるが、実力は折り紙付き。今回はネタ順も8番となかなかのポジション。無冠のコント師が、漫才王者の称号を手に入れられるかもしれない。
決勝進出者のなかではアキナも二度KOC決勝に進んでいるが、彼らはTHE MANZAIで決勝進出したり、昨年NHK上方漫才コンテストで優勝を果たしたりと、漫才でも定評ある二人だけに、さらばの強敵になるだろう。
コントも達者といえば、敗者復活戦には今年のKOC決勝で3位の成績を残したかまいたちのほか、ジャルジャル、ニューヨークといった面々も控えている。


ダークホース枠、最年少カミナリが気にしているのは


2004年のM-1、敗者復活で麒麟が登場して以来、「麒麟枠」という言葉が生まれた。いまとなってはその感覚はかなりおぼろげだが、当時麒麟はかなり知名度が低く、ダークホース的存在だったのだ。今大会の麒麟枠、つまりダークホースといえば、まちがいなくカミナリだろう。サンドウィッチマンを筆頭とするグレープカンパニー所属。同じ事務所の永野とも親交が深い彼らは、茨城なまりのテンポよいどつき漫才でじわじわとファンを獲得しつつあるなか、決勝に躍り出た。そのフレッシュさで他を圧倒する可能性も少なくはない。

決勝進出者のなかで唯一、20代の二人が「敗者復活から上がってきてほしくないコンビ」に挙げたのが45歳と38歳のおじさんコンビ、錦鯉。一般的な知名度でいえばまだまだだが、お笑いライブ界では、その実力は誰もが認めるところ。敗者復活から勝ち上がることがあれば、カミナリとのダークホース対決が見ものだ。


ライスに続け! おいしそう枠


昨年、決勝で上位3組にまで勝ち残り、トレンディエンジェルに競り負けた銀シャリ。三度目の決勝であり、実力は誰もが認めるところ。優勝の本命に据える視聴者も少なくないだろう。そして彼らには今年、もうひとつの追い風が吹いている。そう、KOCでのライスの優勝だ。「コンビ名がおいしそう枠」としてライスに続いて優勝を決め、この二組で炊飯器のCMを取り合う未来が見える……! 気がする!

さて、「おいしそう枠」といったら忘れてはならないのが和牛と、とろサーモン。どちらも、敗者復活で勝ち上がるだけの実力を持ったコンビ。お茶の間で「おいしそう対決」が繰り広げられるかもしれない。

ほかにも、2010年のM-1以来、鮮やかに決勝の舞台に返り咲いたスリムクラブ、M-1をきっかけにお笑いの道に進み4大会連続の決勝となるハライチ、昨年に引き続き決勝進出を果たしたスーパーマラドーナと、誰が優勝してもおかしくない顔ぶれが揃う。
泣いても笑っても今夜には新しい王者が決定する。果たして誰がトロフィーを手にしているだろうか。そして、2017年ブレイクのきっかけを掴むのは一体どのコンビだろうか。

(釣木文恵)