by Dianne Rosete

クリスマスや感謝祭(サンクスギビング)では七面鳥の丸焼きが食べられることが多く、アメリカでは「七面鳥をたくさん食べるのでサンクスギビングは眠くなる」と言われています。「七面鳥を食べると眠くなる」は本当なのか?ということで、その理論と真偽をニュースサイトのWIREDがYouTubeで展開しています。

Food Myths: Does Turkey Make You Sleepy? - YouTube

「サンクスギビングって好きだけど、七面鳥を食べると眠くなるのよね……」と自身の眠気を七面鳥のせいだと考える人の言葉からムービーはスタート。



女性が眠気の原因だと考えているのは、七面鳥に含まれる「トリプトファン」というアミノ酸の一種。



では「七面鳥はトリプトファンを多く含むから人を疲れさせて眠くさせる」というのは本当なのでしょうか。



確かに、七面鳥の肉にはトリプトファンが含まれます。しかし、トリプトファンは高タンパクな食品に多く含まれるものなので、七面鳥以外にもトリプトファンが豊富な食べ物はたくさんあります。例えば、文部科学省が公開するアミノ酸成分表によると、七面鳥の可食部100gあたりに含まれるトリプトファンは280mgですが、チェダーチーズの場合は320mg、パルメザンチーズの場合は590mgとなっています。



少し話は変わりますが、トリプトファンがなぜ眠気を引き起こすかというと、トリプトファンは脳内の神経伝達物資として働くセロトニンを作る材料になるため。セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれていて、セックスや薬物摂取によっても脳内の分泌量が増加します。



トリプトファンはセロトニンを経て、最終的にメラトニンと呼ばれる化合物に変化します。脳内でメラトニンが増えると脈拍・体温・血圧などが低下し、体が「眠る準備ができた」と認識するので、メラトニンは睡眠障害の治療に利用されることもあります。つまり、「七面鳥を食べると眠くなる」の根拠は、トリプトファンを多く摂取することで、最終的なメラトニンの量が多くなる、ということにあるわけです。



ただし、先ほどにも言ったように、これは七面鳥に限ったことではありません。サンクスギビングに食べる高タンパクの食品は他にもたくさんあります。



さらに、パン・パスタ・ご飯などに多く含まれる炭水化物はトリプトファンをメラトニンに変換するプロセスを加速させます。なので高タンパク食品に加えてパスタなどを大量に食べると、いつもよりも早く眠気がおそってきます。



加えて、食べる量が多いと、体が食べ物を消化しようとして動きがゆっくりになります。



お酒を飲むと、さらに眠気が強くなることは言うまでもありません。つまり、「クリスマスやサンクスギビングに七面鳥を食べると眠くなる」というのは、「この眠気は普段食べないものに原因があるに違いない!」という間違った推論の結果であり、実際のところ遠因は「食べ過ぎ」というわけです。