金正恩氏

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中国に在住するデイリーNKの対北朝鮮情報筋によれば、中国遼寧省の瀋陽市一帯に潜伏していた脱北者8人が11月30日、現地公安当局に逮捕され、強制送還の危機にあるという。同月25日にも、瀋陽からベトナムに移動する途中だった幼児を含む脱北者30人余りが逮捕されたとの情報が伝えられている。これで、北朝鮮に強制送還される危機にある脱北者は計約40人になった。

北朝鮮の金正恩体制は脱北者を厳しく取り締まっており、強制送還されれば政治犯収容所に送られるなどの厳罰が避けられないと見られる。

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情報筋によれば、新たに逮捕された8人は、すでに北朝鮮との国境都市・丹東に移送された模様だという。逮捕された脱北者は通常、丹東で中国側の取り調べを受けた後、北朝鮮に送還される。

情報筋はまた、「8月30日に北朝鮮の北東部で大規模な洪水が発生した際、一帯の哨所(監視施設)がすべて流された。今回逮捕された8人は、その機に乗じて脱出した人々である可能性が高い」と話す。

さらに、「中国公安当局は、脱北を支援している人物を継続的に監視しているようだ。その人物の動線が知られたことで、脱北者の逮捕が続いている。公安はとくに、瀋陽エリアで集中的な捜査を行っている」とも言う。

中国と北朝鮮両国の当局は最近、緊密な協議を行い、脱北者を積極的に摘発、強制送還することについて合意に至ったとされる。詳しい合意内容は不明だが、最近に入り大々的な脱北者摘発作戦が行われ、中国側の町中には「通報した者には報奨金を支払う」との横断幕やプラカードが掲げられている。

北朝鮮の国家安全保衛部(秘密警察)は、脱北者の強制送還の費用として、直営の金鉱で産出される金塊を中国側に送っているが、これも合意によるものと思われる。