中山田明・MFS代表取締役CEO(左)、塩澤崇・取締役COO(右)

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住宅ローンは家計に占める割合が高いものの、個別金融機関に相談しても借り換えのメリットは分からない。ユーザーの立場に立って親身な相談に乗ってくれるフィンテック・サービスが人気を集めている。

■住宅ローンの借り換えをサポート「モゲチェック」

「2020年までに全国で100店舗の出店を目指す。上場を視野に入れている」――。住宅ローンに特化し、フィンテックを活用した新サービスを提供するMFS(東京都千代田区)中山田明代表は力強く語る。

2015年8月に第1弾として住宅ローンの借り換えメリットが簡単に分かるモバイルアプリ「モゲチェック」をリリース。スマホやPCから年齢、年収、ローン残高など必要項目を入力すると、MFSの住宅ローンのコンサルタントがその人のニーズに合った最適な住宅ローンを全国140金融機関1200本以上のローンから借入額や金利タイプを分析、最適なローンを選定し、勧めてくれる。面倒な借り換え手続きや返済方法も完済するまでアドバイスしてくれる。現在、ユーザー数は1万5000人を突破した。

さらに10月末から、このサービスにチャットボットによる自動応答「モゲタロウ」を投入した。ダウンロード時にユーザーが入力する住宅ローン情報と、「モゲタロウ」がヒアリングする、ユーザーの年齢、居住地域、年収、就業形態、勤続年数の5項目から信用力を判断し、借り換え金利の目安を自動的に算出して提示する。「モゲタロウ」が自動的に回答できないような個別、具体的な質問は、同社の住宅ローンコンサルタントが対応する。

同社の住宅ローンのコンサルタントは全員が元銀行員などの専門家だ。

2016年4月に、住宅ローン借り換えコンサルティング店舗「モーゲージ・ネクスト」の1号店を東京・京橋にオープンした。その実績は目覚ましい。10月末で150件、累積契約金額は35億円に達している。背景には今年2月に導入されてマイナス金利により、住宅ローンの借り換えニーズが高いことがある。1号店に続き店舗名もより分かりやすく「モゲチェック・プラザ」に変更し、第2号店を11月に新宿にオープンした。

背景には今年2月に導入されたマイナス金利によって、住宅ローンの借り換えニーズが高まっていることがある。同社によると住宅ローン借り換え市場は現在、残高186兆円、1200万件で、新規実行は20兆円、100万件の巨大市場だという。その借り換えのインパクトは大きく、金利を0.1%下げることができると、残高における金利節約は1兆8600億円、新規実行における金利節約は2000億円に達するという。

■ユーザーの立場でローンを仲介するサービスがない

MFS代表の中山田明氏は東大経済学部卒。1999年、ベアスターンズ証券で日本初の住宅ローン証券化を担当、2000年からは新生銀行で総額5000億円超の住宅ローンの証券化を主導、その後、2011年、SBIモゲージ(現アルヒ)に入社し、2012年からCFOを歴任、2014年10月からMFSの代表を務めるなど、一貫して住宅ローンビジネスに関わってきた。

その体験から中山田氏は住宅ローンの借り替えについて「ユーザーの立場でローンを仲介するサービスがない。住宅ローンの分析に特化したファイナンスの専門家であり、かつ、自ら住宅ローンを直接提供しない我々だからこそ、真にユーザーの立場に立ったアドバイスができる」という。

今後は、住宅ローン借り換えサービスの提供で集積された個人のクレジットに関する膨大なデータを基に、保険、資産運用などの分野への進出も計画している。

同社の外部株主にはグロービス・キャピタル・パートナーズ、電通国際情報サービス、マネックスベンチャーズ、電通デジタル・ホールディングスがいる。

(経済ジャーナリスト 丸山隆平=文)